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下水の困ったトラブル。

下水はふだんの私たちの生活で、滅多に目にするものではありません。もしそれを見たら、使用済みの生活用水がかなり汚いというのを目の当たりにして、強いショックを受けてしまうかもしれません。
そんな使った後の汚い水は私たちの日常とは関りがないと感じているかもしれませんが、下水のつまりが原因となったトラブルが、私たちの暮らしの中では実は多くあるのです。

ここでは、下水がつまることによりひき起こされるトラブルの事例を紹介と、それが起きてしまった際の対処、そして起こさないようにするために日ごろからやっておきたい予防策について解説していきます。

下水のトラブル対応や予防をするためには、それに関する最低限の知識もないといけません。この記事でいざという時のために、下水に関する知識全般を身につけてください。

 


 

第一章:下水の基礎知識

第一章:下水の基礎知識

まずは下水がつまった時に慌てず対応するために、下水に関する基礎知識についてです。

下水という言葉は知っていても、その実態は知らない方がほとんどだと思います。

知らなければトラブルの際にどこで何が起こっているか。何をどう対処すれば良いかもわからないので、まずは最低限の知識を身につけましょう。

1・下水とは

1・下水とは

そもそも「下水」とは何をさすのでしょうか。

次の二つの意味があります。

 

1、生活空間から流れ出た使用済みの水。または雨水、工場からの排水。

2、1を流す管。地下にあり、浄化処理をおこなう施設へと水を流していく通り道。

 

1の汚れた水そのものが下水ですが、つまりなどのトラブルが起きるのは2の管の方です。

ですのでこの記事では、下水として2を中心に扱っていきます。

また下水と呼ばれる「下水道」は、各家庭から流れ出た水を一つに集めて下水処理場へと流していく公共下水道を指します。ですからつまりで各家庭に水のトラブルを起こすのは、実際には次で紹介する「排水管」になります。

 

下水の役割についても知っておきましょう。

流れ出た下水は下水処理場へといき、そこでキレイな水になる処理をされ、川や海へと戻されていきます。

以前は大きな川や、陸地に面した海辺でも、汚い水が多く出ている場所がありました。

>それが美しい水の風景に変わってきたのは、この下水処理の働きが大きいのです。

2・排水管

2・排水管

家庭から流れ出た水を運ぶためのパイプを、「排水管」と呼びます。
キッチンやお風呂、トイレで使われた水が流れ出る管になります。
ですからトラブルが起きた際には、この排水管でつまりのトラブルが起こっています。

 

この排水管には、一般家庭の生活で使われた水が流れ出る「汚水管」「雑排水管」、雨水が通る「雨水管」があります。

またそれぞれを別々に流していく「分流式」、雨水管以外をつなげて流す「合流式」があります。この配管方式の違いで、つまりの場所や状態が変わってきます。

 

さて排水管の対義語は、「給水管」です。
この給水管の方は、飲み水などきれいな水を運ぶためのパイプです。

排水管と給水管の二つの機能的な違いですが、給水管の方には圧力がかかっています。
これは水を家まで運んでいく役割があり、一方排水管の方には、この圧力がかかっていません。
出ていく水ですから、下に向かってそのまま流れていけば良いのです。

「家庭にはきれいな水がどうやって供給されてくるのだろう」と不思議に思っている方も多いかもしれませんが、圧力がかけられたこの給水管がその正体です。

 

さてこの記事の後半のテーマになる下水でのつまりが発生する原因についても、少し触れておきましょう。
先に紹介したように、排水管の方には圧力がかかっていません。
そのため一旦つまってしまうと、圧力により解消することができません。
ですから自力では正常な流れが復活せず、トラブルに結びついてしまうのです。

3・排水枡

3・排水枡

聞きなれない言葉ですが、「排水枡」についても紹介しておきましょう。
ご家庭で下水に関連するトラブルが起きた際には、必ずチェックしなければならない設備です。

 

排水枡とは、家庭の敷地内にある小さなマンホールのことです。
マンホールとは丸いふたがついて、それを開けて下水道へと入っていく出入り口になります。
道を歩いていると、時おり足元で見かけます。
アクション映画のワンシーンなどに使われることも多いので、そのイメージを持っている人も多いかもしれません。

 

普段生活していて気づきにくいですが、一般家庭の敷地内にもこうしたマンホールがあります。
ただし町中にあるのよりは、ずっと小さく、下水道への出入り口ではなく、排水管で水をつまらせるゴミなどをせき止めるための設備です。
これがあることで、排水管でつまりが起こってもすべてを掘り起こさなくても、ここのつまりや汚れを取ることで問題を解消できるのです。
ですからこの排水枡は、日常の点検やお手入れにも欠かせない存在です。

4・その他

4・その他

日本の下水整備は、80%に近い割合となっています。

逆の言い方をすると、20%強が下水がない環境にいます。

 

こうした場合も、汚れた水をそのまま外へ流している訳ではありません。
各家庭単位で水をきれいにして流しています。
そのための設備が、「浄化槽」です。

 

この記事は下水のつまりについてですので、浄化槽については特に触れません。
しかし汚水を処理する設備ですから、浄化槽の場合も当然つまりなどのトラブルが発生します。
水回りで何かトラブルを感じた際には、下水か浄化槽なのかで対応が変わりますので、ご自宅の設備がどちらを使っているかを把握しておくようにしましょう。

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第二章:下水のつまりトラブル

第二章:下水のつまりトラブル

ここまでで、下水についての基本的な知識、用語は押さえられたと思います。
一般のご家庭ではこのぐらいの知識があれば十分のはずです。
水道業者や設備会社と話をしても、内容がまったく分からないという事にはならないでしょう。
 

ここからは実際に下水のつまりによるトラブルの事例を紹介していきます。
どういった問題が起こるのか、確認してみてください。

1・多く見られる事例

1・多く見られる事例

次に挙げるのが、よく起こるトラブルです。

主なトラブル事例

  • 排水枡から水漏れをしている、あふれている。
  •  

  • 家の中の排水がスムーズに流れていないように感じる。
  •  

  • キッチンの流し台から水がなかなか流れない。おかしな音が続いている。
  •  

  • お風呂のお湯が少しずつしか流れない。汚い水が排水口から逆流してくる時がある。
  •  

  • 洗濯機の排水口から水があふれる。
  •  

  • キッチンなど他の場所で水を流していると、洗濯機の排水口から水があふれ出る。
  •  

  • 複数あるトイレが、いずれも流れが悪い。
  •  

  • 室内の水を使っていない場所でも、どこからか水が流れるような変な音がする。
  •  

  • 排水枡の周辺で、嫌な臭いがする。
  •  

  • トイレから悪臭が立ち上ってくる

このように、キッチンやお風呂、トイレといった室内の水回り設備で問題が起きると同時に、それ以外の場所でも音など不調が感じられます。
また複数個所で水を使っていると、もう一方で水が逆流してくるといったトラブルも目立ちます。

これはキッチンや洗濯機の排水溝が、それぞれ独立して排水を外に流しているのではなく、自宅下の共通の排水管に合流してから公共下水道へと流れていくからです。
つまり地下に一本通った排水管につまりが起きると、水を使用している1か所だけでなく、どの箇所でもつまりの影響が出てくるのです。

こうしたトラブルが起きた時には、まず原因の切り分けとして、「排水溝がつまっている」のか、「排水管がつまっているのか」を確認するようにしましょう。
排水溝はキッチンやお風呂、トイレといった個別の設備から使用済みの水を流すパイプです。
ですから一般の方でも、比較的メンテナンスがしやすい部分です。

 
それに対して排水管は、公共下水道へと使用済みの水を一本の管に集めて流していくものです。
こちらは地中に埋められていますので、自分で解決するのは排水溝に比べて難易度が上がります。

 

さて下水がつまることでさまざまなトラブルが発生する具体例を紹介してきましたが、排水管そのものに不備が出ていることもあります。
例えば木の根っこが下水の中に伸びている場合です。水の流れがそこで妨げられますので、つまりが起こります。
また排水管自体が破損、破裂してしまっているといったケースもあります。

 

これらのトラブルのもととなる下水のつまりは、何によって引き起こされるのでしょうか。
その例を見ていきましょう。

主なトラブル事例

  • トイレからの汚物とトイレットペーパーとが絡まって大きな塊になったもの。
  •  

  • トイレから流れたテッシュやオムツといった、水に溶けないもの。
  •  

  • 毎日少しずつキッチンから流れてきた食用油がこびりついて、水の流れを塞いでしまっている。
  •  

  • キッチンから流れてきた野菜などの切りくずがつまってきている。
  •  

  • お風呂から流れてきた髪の毛がたまってきている。
  •  

  • 髪の毛に皮脂やシャンプーなどの薬剤が一緒になり、水の流れを妨げている。
  •  

  • 洗濯で流れ出た繊維やボタンなどがたまっている。
  •  

  • 植物の根などが排水管の中で伸びて塞いでいる。
  •  

  • 排水桝が破損してできた破片。
  •  

  • 排水管自体が割れてしまっている。

こうして見ると排水管がつまる原因は、日常生活の中にたくさん潜んでいるのが分かります。
植物の根が伸びてくる、あるいは管自体が破損するなど日常生活を送る中では気づきにくいトラブルも、実は地下で起きているかもしれません。
こうしたさまざまな原因が、単独または複数重なって下水をつまらせ、私たちの暮らしの中でいろいろなトラブルを起こしているのです。

2・集合住宅での事例

2・集合住宅での事例

マンションなどの集合住宅にも、もちろん下水の仕組みが使われています。
つまれば当然一般住宅のようなトラブルを起こしますが、ここでは戸建てとの違いについて解説してみます。

戸建て住宅の場合は、キッチンやお風呂などの水回り設備からの排水溝が、地下の排水管へと合流します。排水枡も一つの家に一個、または用途ごとに複数存在します。

ところがマンションなどの場合は、各部屋と排水管を共有する構造になっています。
ですから他の部屋が誤ってモノをつまらせるなどした場合には、別の部屋も影響を受けてしまいます。
上の階がモノをつまらせてしまい下の階まで水漏れをさせてしまうのは、代表的なトラブルです。

マンションではトイレにモノをつまらせてしまい、水が逆流してしまうというトラブルも多くなっています。
あるいは一時的に多くの部屋が大量の水を流してしまい、排水管内が飽和状態になりお風呂の排水口から水が噴き出してしまうトラブルもあります。

ここまで読んで「よその部屋が起こした問題で被害を受けるなんて、集合住宅は損だ」と思われた方も多いでしょう。
しかし良いこともあるのです。
それは高圧洗浄などを用いた定期的なメンテナンスが入る、ということです。
特に管理組合がある分譲マンションの場合は、きちんとしたメンテナンス計画が立てられていることが多いはずです。

 

それに比べて一般家庭の場合は下水のつまりなどに通常は頓着していませんから、定期的なメンテナンスはほとんど入りません。
現在マンションにお住まいの方の中には、水回りのトラブルに多少なりとも不安を抱えている方がいるかもしれません。
集合住宅では排水管に定期メンテナンスをおこなってくれるというメリットがあるのも、覚えておくと良いでしょう。

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第三章:排水管がつまった時の対処法

第三章:排水管がつまった時の対処法

さてここからは、排水管で水がつまることで起きるトラブルへの対処法について解説していきましょう。

1・自分で対処

キッチンやお風呂で使った水を流す排水溝のつまりは、自分でも対処できる場合が多くあります。
管自体はキッチンであればシンクの下の開き戸、洗面化粧台も同じように下の扉を開けると、地下へと続く管を確認できます。
もちろん中がどういう状態になっているかはわかりません。

しかし比較的浅い場所だけに、『パイプクリーナー』を使ったり、『ラバーカップ(スッポン)』を使い空気圧でつまりを取り除くといった方法を使えば、解決できるケースも多くあります。

 

一方の排水管、つまり下水でトラブルが起こると、自分での対処はぐっと難しくなります。
排水管は地下に設置されているからです。
自分で排水管を確認できる場所があるとすれば、家庭の敷地内にある排水枡です。
もしもここを開けて大きなモノがはさまっていたら、これが水をつまらせた原因と考えて良いでしょう。これだけが原因であれば、取り除くことで水のつまりを解消できます。

 

こうした単純なつまり以外の対処法もお伝えしましょう。
まずは排水枡を開けて水を流し、つまりが発生している箇所を特定します。
つまりの部分を丁寧に掃除して、原因を取り除くことでトラブルが解消できます。

ところが下水のつまりを起こしているのは、長年にわたり蓄積した小さなゴミや油、髪の毛などが多く、これらは排水枡を開けても確認できないような深い場所に溜まっているので、対応は困難です。
また水がヘドロのような状態になっていたら、かなり危険な兆候です。
排水管そのものの掃除も必要になってきます。

2・日常の予防

トラブルを未然に防ぐために、排水管の日常的なメンテナンス方法を紹介していきます。
排水枡を開け、定期的に掃除をしていきます。
多い場合では月に1、2回。季節ごとに1回づつの清掃をするようにしている、というご家庭もあります。

 

掃除の際は排水管の中までをチェックするのは不可能ですから、排水枡を開けそこの状態、また見える範囲を確認していきます。
排水枡につまっていたものはすべて取り除いたのに、まだ水がスッキリ流れないといった場合には、奥の方でつまりが発生してきているのかもしれません。
こうした場合は自分で解決しようとせずに、専門の業者をすぐに呼ぶようにしましょう。

3・依頼をする場合

排水枡を開けて専門業者に作業を依頼する必要を感じる場合以外に、すぐに専門業者を呼んだ方が良いのは次のような時です。

1.2か所あるトイレで、水が両方流れない。

2.お風呂を使っていたら、洗濯機の排水口から汚水が逆流してあふれていた。

3.排水枡でひどい水もれが起きていた。

 

これらのトラブルは、つまりが起きている場所を特定するのが比較的困難とされ、早めに専門業者を呼んで対処した方が良いケースです。

またつまりの程度がひどい場合、最近は自分で高圧洗浄機を購入して汚れを取り除こうとする方たちも増えています。しかし不慣れな高圧洗浄機を買うよりも、専門業者に対応してもらった方が早く、安く済むはずです。

 

業者は高圧洗浄以外にも、あらゆる形状が揃い多くのつまりに対処できる「電動トーラー」など専用の器具を持っています。また管の状態によっては専用の内視鏡で中の状態を確認していくといった方法も取れます。

自分での対応が難しいと感じたら、すぐに水道業者へ問い合わせてみましょう。

第四章:まとめ

第四章:まとめ

もし各家庭から排水が流れ出たさらに先の公共下水道でトラブルが起こっていたら、管轄する市区町村に連絡します。公共のものですから、そこで対応してくれます。

しかし敷地内の排水管で起きたトラブルは、各家庭で解決しなければなりません。
排水枡を開けて調べてみても、なかなか原因の特定はしにくいという声が聞かれます。

それもそのはずで、長年に渡りたまってしまった汚れをどう取り除いて良いかわからないと思いますので、トラブルが起きて対応に困ったら、最寄りの専門業者にすぐに問い合わせてみましょう。

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