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トイレに関するトラブルも色々とありますが、トラブルの程度によっては自分で修理できる場合も少なくありません。
それぞれのトラブルを引き起こす原因とその解決法を知っておくことで、万が一トラブルが発生した場合でも迅速に修理することで対処しやすくなります。
またそれぞれの原因を理解しておくことで予防に活かすことも可能なため、修理を頼んでなるべくお金をかけたくない場合には自分で知識をつけておくことが大切です。
そこで今回の記事では、トラブルの原因ごとに合わせた修理方法について解説していきます。トイレで起こる様々なトラブルを的確に修理できるだけでも時間やお金の無駄を省くことができます。実際のトラブルに遭遇する前に、まずはこの記事で修理方法の事前知識を身に着けておくといいでしょう。
目次
第一章:トイレのトラブル、その原因
トイレのトラブルを引き起こした原因をきちんと見抜けなければ、その原因に最適な対処法も修理法も分かりません。この章ではまず大まかに三つのトラブルを引き起こすそれぞれの原因から確認し、修理方法や予防方法をきちんと理解できるようにしていきましょう。
1・トイレがつまった場合
トイレがつまる場合の原因もいくつか種類がありますが、その具体例については以下の通りです。
最もポピュラーなつまりの原因がこの紙つまりです。本来であれば流すことのできるトイレットペーパーが、一度に大量に流しすぎたせいでつまってしまうことがあります。
これは異物のサイズや重さにもよりますが、自力で取り除くことでの修理が難しい場合がほとんどです。
こうした場合にはプロに頼むことが最も効果的と言えるでしょう。
重度の黄ばみがある家庭に限りますが、無理に削り落とした尿石が運悪く排水管内でつまってしまうこともあるにはあります。
サイズが小さければ水流で押し流すことも可能ですが、大きすぎる場合には酸性洗剤を使って何とか溶かすしかありません。
これもトイレットペーパー同様ほとんどつまることはありませんが、あまりに大量すぎると稀につまることもあります。
この場合には酸性洗剤は効かないため、反対のアルカリ性洗剤を使う必要があります。
固い異物もサイズが小さいほど自力で取り除ける可能性が高くなります。
ただし固い異物を取り除くための方法は多少のテクニックを要するため、うまくできない場合にはプロを呼んだ方が確実であることは言うまでもありません。
2・タンクから水が漏れている場合
便器内に流すための水を溜め込むタンクのトラブルにより、水が漏れてくることがあります。
この場合の原因としては主に二つあり、タンクの外側、もしくは内側のどちらかで水漏れが発生します。
タンクと水道栓、もしくはパイプ間の接続部分から水漏れする場合があります。
外側が原因での水漏れであれば床が濡れることで分かりやすく、早期解決につなげやすいと言えます。
タンク内部に原因がある場合には自力で直すことが難しく、大抵の場合であればプロを頼ることになります。
タンク内部で水を止める仕組みが破損しているために起こるものですが、それと同時に水を溜められず流せなくなるトラブルも併発しやすくなります。
外側であれば自力で直しやすいこともありますが、内側に水漏れの原因がある場合では詳しい原因が突き止められないことも少なくありません。
そういった場合には無理に手を加えず、すぐにプロに相談することをおすすめします。
3・水が流れなくなった場合
トイレのタンク内部に何らかの原因があることが多くなります。その大まかな原因については以下の通りです。
通常であれば止水栓は開いたままになっているはずですが、何かの拍子に締まってしまうこともないとは言い切れません。
特に引っ越し直後であれば締められていることが多々あります。
こうした場合にはマイナスドライバーを使い、ある程度まで栓を弛めておくといいでしょう。
もしくは付属のハンドルがある場合には、手動で回す必要があります。
タンクに水を貯める役割を果たすボールタップが、ゴミや水垢により動きが悪くなり水が貯まらないことがあります。
これが原因であれば使い古した歯ブラシやサンドペーパーによって対処することが可能です。
タンク内部の水位を測るための浮き玉がどこかに引っかかっていては、ボールタップが開かず水が貯まることはまずありません。
浮き玉が引っかかっているだけならば、元の位置まで動かしてやることで簡単に解決することができます。
レバーから伸びている鎖がゴムフロートにつながっているため、この鎖が劣化していると浮き玉が動かないためにタンク内部に水が貯まらなくなることがあります。
傷んでいるだけならばある程度まで対処可能ですが、切れてしまっている場合には新品にパーツ交換しなければなりません。
新品のパーツに関してはホームセンターでも購入できるため、自力で直す場合には別途購入しておく必要があります。
各トラブルの原因が大まかに分かったところで、次はそれぞれの修理方法について解説していきます。
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第二章:原因ごとの修理方法
トイレに不具合が生じたからといって、全く同じ修理方法が通用する訳ではありません。
原因を大まかにでも把握できたら、次は原因ごとの修理方法をそれぞれ試していかなければなりません。
1・トイレがつまった場合の修理方法
トイレがつまった場合の修理方法についてはいくつかありますが、自宅で行いやすい順に以下で確認していきましょう。
またトイレのつまりを修理する際には事前に新聞紙やビニールシートを床に敷いておくことで、後片付けが楽になるのでおすすめです。
- ①便器の後方についている止水栓をあらかじめ締めたら、バケツを使って便器内の水をできる限り多く汲み出します。
- ②排水口めがけて、なるべく高い位置から水を流します。この時に勢いをつけて流すことで、直線的な水流によりつまりが解消されやすくなります。
バケツさえあれば試せてかつ一番簡単な方法のため、トイレのつまりが確認できたら手始めに試してみるといいでしょう。
ただ勢いをつけすぎると水飛沫が壁にまで飛び散ってしまいかねません。ある程度まで加減しながら水を流すように注意する必要があります。
紙つまりや軽めの異物であればつまりを解消しやすくなります。
- ①重曹1/4カップ、お酢1/2カップをあらかじめ計量したら、便器に重曹、お酢の順でかけていきます。
- ②重曹が泡立ったら、ぬるま湯を便器内の半分程度の量を注ぎます。
- ②重曹が泡立ったら、ぬるま湯を便器内の半分程度の量を注ぎます。
熱湯をトイレのつまりを取り除く際に使ってしまうと、便器が破損する可能性が極めて高くなります。
お湯を使うにしても、せめて自分で触った時に少し熱いと感じる程度で留めるようにしましょう。
ただしこの修理方法では、お湯に溶けるものによるつまり以外は解消できませんので注意しましょう。
- ①まずはビニール袋を4〜5枚用意したら、そのうちの2〜3枚を利き手にかぶせます。
- ②ビニール袋内でグーを形作ったら、その形のまま排水口めがけて突っ込みます。
- ③排水口と拳の隙間がなるべくなくなるように意識しながら、繰り返し出し入れしていきます。
- ④水圧がかかることにより異物が逆流してきたら、ビニール袋をかぶせた手で直接取り除きます。
- ⑤使い終わったビニール袋は取り除いた異物とともに、余ったビニール袋に入れて捨てます。
後述するラバーカップがない場合に使える方法です。
水圧をかけることで異物を逆流させますが、ラバーカップに比べるとどうしても水圧が弱いことは否めません。手軽に行えますが成功率は低いため、それほどおすすめできる方法ではないかもしれません。
- ①便器内の水を可能な限りバケツなどで汲み出したら、ラバーカップを排水口周りの便器に密着させます。
- ②水圧を感じなくなるところまでラバーカップを押し込んでいきます。この時はゆっくりとした動作で行います。
- ③可能な限り柄を押し込んだら、今度は勢い良くラバーカップを引き上げます。
- ④これを数十回程度繰り返して行います。
トイレのつまりを取り除く際によく使われる「すっぽん」のことを指します。ラバーカップを引き上げる際に勢いをつけることで水圧が一気にかかるため、出し抜きする際の速さを逆転させないよう注意して行いましょう。
- ①針金のハンガーの形状を全て崩したら、片方の先端部分だけを曲げて輪っかを作ります。
- ②排水口に通る程度まで形状を整えたら、輪っか側の先端を排水口の奥へと押し込みます。
- ③なるべく小刻みに四方へと動かしながら、異物を探し当てます。
- ④輪っかの部分に異物が当たり、柔らかな感触であれば細かくつつきながら異物を取り除きます。
プロが使用するワイヤーブラシを、自宅で簡易的に再現した方法です。
紙つまりの場合は有効ですが、固い異物の場合では誤って奥に押し込んでしまいかねないので、原因が紙つまりだと断定できる時以外はやめておいた方が無難です。
- ①止水栓を締めてあらかじめ便器内に流れ込む水流を止めてから、洗剤を適量だけ便器内へと垂らします。
- ②ボトルに記載のある時間だけ放置すれば構いませんが、つまりが解消されなければさらに1〜2時間程度そのままにして様子を見ます。
- ③ある程度経った時点で便器内の水をバケツで汲み出し、つまりがなくなったかどうかその水を流して確認します。
尿石が原因の場合には酸性洗剤、嘔吐物や排泄物が原因の場合にはアルカリ性洗剤を使い分けることで効果を発揮できます。
間違っても二種類を同時に使用してはいけません。またこれらの洗剤を使用する際は換気のし忘れに注意してください。
要領はラバーカップと同じですが、付属のポンプを利用することで、さらに効率的に吸引力をかけることが可能です。
これを使えば排水管内に引っかかった固い異物であっても、取り除ける確率がぐんと上がります。
ホームセンターで販売していることもあるので、なるべく自力で解決したい方は購入を検討してみてもいいでしょう。
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①空の500mlペットボトルを数本用意したら、底の部分から3cmのところをカッターかハサミで切り離します。
この作業は怪我をしやすいので、軍手を着用した方がより安全です。 - ②利き手にゴム手袋を着用したら、切り離した方を下にし、排水口を取り囲むようにして便器へと密着させます。
- ③ラバーカップと同じ要領でペットボトルを繰り返し上下させ、排水管へと水圧がかかるようにします。
- ④輪っかの部分に異物が当たり、柔らかな感触であれば細かくつつきながら異物を取り除きます。
これもビニール袋同様、ラバーカップを模した方法です。ただし成功率が低いため、それほど有効な方法とは言えないかもしれません。
2・タンクから水が漏れている場合の修理方法
水漏れに関する修理方法は決まっており、自力で直す場合にはマイナスドライバーのみで対処できます。その方法については以下の通りです。
- ①便器の脇に設置されてある止水栓を、マイナスドライバーを使ってあらかじめ締めておきます。
- ②その状態で便器の水を流したら、タンクの蓋を開けます。簡単に開閉できないような造りになっている場合には無理をせず、その時点でプロに相談します。
- ③タンク内部を覗いたら、樹脂カバー上に水が溜まった跡がないかどうかを確認します。
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④タンクの蓋裏に設置されている整流スポンジが破損していたら、専用の整流スポンジ、あるいは整流ジャバラに交換します。
このパーツについてはトイレの製造メーカーに問い合わせて購入するほかありません。 -
⑤もしくは樹脂カバー上にある整流スポンジが破損している場合も考えられるでしょう。
その際には新品の整流スポンジやジャバラに交換することで水漏れを解決できます。 - ⑥上記のどちらについても破損が見られなければ、迷わずプロを呼ぶようにしましょう。
こうしたパーツは経年劣化に伴い破損がひどくなりがちです。ただしタンク内部をむやみに触ることで、かえって水漏れを悪化させてしまうこともないとは言い切れません。直せる自信がなければ無理はしない方が賢明と言えるかもしれません。
3・水が流れなくなった場合の対処方法
水が流れなくなるトラブルは、タンク内部に水がきちんと貯まらないために起こりうるものです。このトラブルでの修理方法は水が止まらない場合と同様なのですが、以下のようにいくつか種類があります。
トイレの水を流すハンドルにレバーのアームがきちんと引っかかっていなければ水が流せませんので、外れていることが確認できたら外れた鎖をレバーのアームにかけるだけで修理できます。この場合は手で直接直せるので簡単に行えます。
このフロートバルブはゴム製のため、経年劣化が進むとゴムが切断されることが稀にあります。
この場合はフロートバルブを交換しなければなりませんので、プロに頼む必要があります。
フロートバルブ付近に水垢やゴミが付着していると正常に作動できないため、便器内に水が貯まらなくなってしまいます。
この場合にはフロートバルブを持ち上げてから汚れを歯ブラシ等で磨き落としておくと、再発防止しやすくなります。それからゴムフロートを引っ張り上げてやるといいでしょう。
トイレにつながる水道管に設置されてある止水栓が締まっていると、タンク内部に水が貯まらないため、水が流れないトラブルに発展することがあります。
止水栓のタイプにもよりますが、マイナスドライバーで緩めることや、付属のハンドルを回して止水栓を開けることで解決できます。
浮き玉がきちんと水に浮いた状態で上下することにより、タンク内部の水が適宜貯まるようになっています。
そのため浮き玉がどこかに引っかかってしまうだけで、タンク内部に水が給水されなくなってしまいます。
この場合には浮き玉の引っかかりを外し、元の位置に浮かばせてやるといいでしょう。
浮き玉を支える支持棒のナットがゆるんでいると、浮き玉が正常に機能しなくなります。
手で触った際に支持棒がぐらついたら、工具のペンチを使いナットをきつく締め直す必要があります。
トイレのタンクの中でもタンク本体が結露しないような仕様になっている防露タンクでは、内部の樹脂カバーが経年劣化により歪んでしまい、そのせいで浮き玉が正常に機能しなくなっている場合があります。
その場合の修理方法として防露仕様のための樹脂カバーを外すということを紹介していることもありますが、この場合の自己判断による修理は控えた方が賢明でしょう。
浮き玉の動きがぎこちなく可動性が落ちている場合には、ボールタップ部分のピストンバルブが錆びていることも考えられます。
ピストンバルブのサビが原因で浮き玉が動かない場合には、市販の錆び取りスプレーを吹きかけてやると修理できることがあります。
必要な専用の工具も多く自宅にない場合がほとんどですが、ボールタップ自体を新品のものに交換してしまうことで水が流れないトラブルを解決することができます。ただし新品に交換するのであれば浮き玉タイプはあえて避けた方が、浮き玉に関する故障の予防になるかもしれません。その具体的な手順については、以下の通りです。
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①あらかじめ止水栓を締めておいたら、次に給水管とトイレのタンク本体を接続してあるナットを、工具のモンキーレンチでゆるめます。
ボールタップが動いてしまいナットがゆるめられないこともありますので、可能であればモンキーレンチを二本使う方が確実にナットをゆるめやすくなります。 -
②給水管側のナットを外し終えたら、今度はボールタップ側のナットをゆるめていきます。
モンキーレンチを二本使ってもゆるめにくい場合には、専用のウォーターポンププライヤーでボールタップ自体を固定してしまうことで、作業が進めやすくなります。 -
③両方のナットを外し終えたら、先に両方のパッキンを外してから古いボールタップを外してしまいます。
これは再利用することもありませんので、ゴミとして捨てておきましょう。 - ④ボールタップをタンク内部に差し込んだら、付属のパッキンを先に取り付けておきます。給水管側も同様にパッキンをはめておきます。
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⑤パッキンをそれぞれはめ終えたら、その上からナットを締めていきます。
給水管側のナットをはめる際にタンク側のナットを多少ゆるめに締めておくことで、給水管のナットがはまりやすくなることがあります。 - ⑥最後に止水栓をゆるめてタンク内部の水量を調節したら、修理完了です。
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第三章:トラブルを回避するための予防方法
トイレのトラブルを事前に回避するためにも、日頃からそれぞれの予防方法を実践しておくだけでもかなり違います。
以下では簡単に取り組める予防方法の具体例について紹介していきます。
1・トイレのつまりを予防する方法
トイレのつまりを起こす原因になりそうなものを、なるべく便器から遠ざけることが一番の予防方法と言えます。
そのため子供がトイレを使用する際に持ち込みがちなおもちゃや、トイレ内に飾ってあるインテリアには特に注意しておく必要があるでしょう。
また節水機能のあるトイレでは、水量不足によってつまりが起こることも考えられます。
たまには節水機能を解除して普通に水を流しておくだけでも、多少のつまり予防として活用できることも覚えておくといいかもしれません。
2・タンクの水漏れを予防する方法
タンクの水漏れを予防するには日頃からのこまめな掃除が物を言います。タンク内部を掃除する際には、使い古した歯ブラシで内部全体を磨くようにします。
もしくは粗めのサンドペーパーを使用しても構いません。
一通り掃除が終わったら水で洗い流し、最後にタンクの汚れを予防してくれる洗浄剤を水中で溶かしておくといいでしょう。
ただし掃除をこまめに行っていたとしても、経年劣化による水漏れは免れようがありません。原因を特定できても工具がない、直せる自信がないのであればそもそも触らず、速やかにプロに電話するようにしたほうが良いでしょう。
3・その他トラブルについて
以上で解説したもの以外でも自力で修理しやすいトラブルについては、以下の通りです。
トイレががたつく場合
洗浄レバーやトイレのタンク、手洗い金具ががたつく場合には、その近辺のナットできつく締めるだけで簡単に修理できます。
タンクの水が貯まるのに時間がかかる場合
止水栓にフィルターが付いている場合には、フィルターの汚れを取り除くだけでも修理できることがあります。
第四章:まとめ
トイレの修理方法にも色々ありますが、トラブルの程度によっては手を加えない方がいいこともあります。
また原因が見極められない場合には修理方法も分からないため、そうした場合には自己判断で無理に修理しようとせず、プロに修理を依頼するようにしましょう。