はじめに

私たちの生活になくてはならない水ですが、水道水を直接飲んでいるという方は意外と少ないのではないでしょうか。日本の水道水は世界トップレベルの綺麗さではあるものの、カルキ臭が苦手で飲めないという方が多いのも事実です。浄水場で原水を人間が飲んでも無害な状態まで消毒するために使用されるカルキですが、季節や時期によってはカルキ臭がきつくなることもあります。消毒に使われて水道水に含まれたままとなっているカルキ自体は人間の体に害のない水準ではあるものの、カルキが含まれるだけで水の味がまずく感じられることは周知されているために、水道水を飲料水として飲む方が少なくなっているのです。

そこで今回の記事では水道水に含まれるカルキの簡単な抜き方について解説します。自宅でのカルキの抜き方さえ知っておけば、水道水の味が改善されておいしくなるものです。今までミネラルウォーターしか飲んでいなかった方も、この機会にカルキ抜きの仕方を覚えて自宅でおいしい水を飲んでみましょう。

 

 

 

1章:水道水に含まれる「カルキ」とは

水道水のカルキを抜く方法について解説する前に、まずは水道水に含まれる「カルキ」という成分が何かということから解説していきます。

水道水に含まれるカルキとは広義での塩素のことを指しており、浄水場での消毒に使われています。このカルキを水道水の元となる原水の消毒に使うことで、原水に含まれるバクテリアの繁殖を抑制しているのです。つまりカルキがなければ日本の水道水は、人間が飲める安全な水準まで持っていくことが極めて難しくなるということなのです。

 

また原水の消毒に使われるカルキの量は季節や時期によっても左右されており、基本的には冬よりも夏に使用される量が多くなる傾向にあります。これは冬よりも夏の方がバクテリアが繁殖しやすい環境が整っているためです。

カルキに関しての安全性は日本の水道局でも保証していますし、何よりWHOの基準に従って日本の浄水場ではカルキの水準を調整しています。このことからもカルキが安全な水準であることはお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

 

 

2章:水道水のカルキ臭の抜き方とは

前述したように、水道水にカルキ臭が感じられることで水道水の味そのものをまずく感じてしまいがちです。そのため自分でカルキ抜きをすることで水道水の味がぐんと良くなり、ミネラルウォーターを別途購入しなくてもいいようになれば飲料水にかかっていたお金を節約することも可能になります。

カルキ臭を軽減するための方法はいくつかあるので、その具体的な内容について以下でさっそく紹介していきます。

 

2ー1 そのまま汲み置きする

透明なペットボトルだけでカルキ抜きできる一番簡単な方法として、水道水をペットボトルにそのまま汲み置きするというものがあります。この方法では汲み置きした後のペットボトルを置く場所や、カルキ抜きをどの程度まで行いたいかによっても汲み置きの方法が微妙に異なります。以下でその違いについて見ていきましょう。

 

・冷蔵庫保管の場合

いくらカルキ抜きした水道水の味がおいしくなったとはいえ、生温い温度の水をそのまま飲むというのはあまりおいしくないと感じる方もいることでしょう。そんな方におすすめなのが冷蔵庫にて水道水を汲み置きするという方法です。この方法であれば冷蔵庫保管にてカルキ抜きができるので、カルキ臭の軽減された冷たい水を冷蔵庫から取り出して飲むことができます。

冷蔵庫保管にてカルキ抜きをする場合、カルキをどの程度抜きたいかにもよりますが基本的には1日保管するだけでも水道水の味がかなり良くなります。またどうしても完全にカルキを抜いてしまいたい場合には、2〜3日は冷蔵庫にて保管しておくと水の味がよりおいしく感じられます。

 

カルキには揮発性があるため、空気に触れやすい状態で保管しておいた方がカルキ抜きが格段に早く進んでいきます。そのため可能であれば以下の方法にて保管しておくことをおすすめします。

 

・ペットボトルの蓋部分にラップを張り、数カ所に爪楊枝で穴を開けておく

・水道水の入れる量をペットボトルの半分程度に留める

・蓋を定期的に開け閉めし、なるべく中の空気が交換されるようにする など

 

このように空気の逃げ場所を作る方法で冷蔵庫保管すると、カルキが気化しやすくなるのでカルキ抜きが早く済ませられます。

 

・日なた保管の場合

またカルキは紫外線によって光分解されるという性質も併せ持つため、なるべく短時間でカルキ抜きを済ませたい場合には日なた保管する方がより便利です。

この場合にはペットボトルのキャップをきちんと閉めた状態にしておけば、たとえ屋外でカルキ抜きした場合でも埃や雑菌が混入する心配はありません。実際にかかる時間としては2リットルの水道水をペットボトルに入れた状態であれば、平均的には6時間、快晴の日では2〜3時間でカルキ抜きを済ませられます。

 

2ー2 しばらく沸騰させる

カルキは水道水を沸騰させることで蒸発しやすくなることから、しばらく沸騰させることでもカルキ抜きすることができます。やかんを使用して直火で沸騰させ、なおかつ蓋を開けたままにしておけばより効率的にカルキ抜きを済ませられます。

電気ポットやケトルでもカルキ抜きは可能ですが、蒸気レスの製品の場合ではカルキ臭が残っているように感じる方もいるようです。ただしばらくの間沸騰する製品であれば沸騰している最中にもカルキは抜けていきますし、高温が維持されている保温の状態でも徐々にではありますがカルキは蒸発していくはずです。

 

それでもお湯からカルキ以外の異臭がする場合には、もしかするとポットやケトルの内部が汚れているという問題もあるかもしれません。カルキ臭ではない異臭を感じたら、その製品自体を一度綺麗にしてみるとお湯の味が変わる可能性があります。

 

 

2ー3 ビタミンCを入れる

カルキはビタミンCと化学反応することで、人体に無害な成分まで分解されることが分かっています。酸味のきいた水を飲むことに抵抗がなければ、レモンのような果物の果汁を水道水に混ぜるとカルキ抜きする上で効果的です。コップ一杯分であれば果汁数滴を垂らすだけで十分ですし、果物を搾ることが面倒な場合には市販されているレモン果汁でも代用することができます。ファミリーレストランでレモンの風味があるお冷を提供する店舗がたまにあるのは、カルキ抜きを兼ねているためです。

 

 

2ー4 活性炭を入れる

炭といえば冷蔵庫の消臭剤というイメージを持たれる方も多いかと思いますが、水道水のカルキ抜きをするためにも炭が利用できます。炭には元々臭いや不純物のような物質を吸着する作用があるのですが、近年では活性炭というものが開発されたことでより効率的に余分な物質を取り除くことに役立っています。

その使い方は簡単で、水道水にあらかじめ洗っておいた活性炭をそのまま投入するだけです。活性炭を入れた状態のまま6時間も放置しておけば、まるで浄水器を使用したようなおいしい水を手軽に飲むことができます。活性炭を直接水道水の中に入れておくことに抵抗がある場合には、ガーゼで包んでおけば炭の欠片が水に浮かぶ心配もありません。このガーゼに包んだ活性炭とペットボトルを利用することで手作りの浄水器も用意できるので、より質の良い水道水を飲みたい方は積極的に試してみるといいでしょう。

 

 

2ー5 浄水器を使用する

ここまで紹介した方法であれば比較的お金をかけずに水道水のカルキを抜くことができますが、味にとことんこだわりたい方であれば浄水器を使用することが一番手っ取り早いかもしれません。フィルター部分に使用されている素材が活性炭や中空糸膜のようなものであれば、カルキを含めた余分な物質を取り除く効果が高いと期待できるでしょう。最近では様々な素材を組み合わせたフィルターを備え付けた浄水器が市販されており、中には軟水やアルカリイオン水を作れるものまであります。

ただ浄水器を使用する場合ではフィルターの定期的な掃除および交換が必須となります。そのためこまめなメンテナンスをできない方が浄水器を安易に使用してしまうと、かえってフィルター部分の汚れが溶け込んだ水を飲むことにもなりかねません。浄水器を使用する場合にはきちんとメンテナンスできるかどうかを確認してから、購入を検討した方が無難ではあります。

 

 

 

3章:自力でカルキが抜けない時には

こうした方法を用いることで自宅でもカルキ抜きしたおいしい水を飲めるようになるのですが、カルキの含有量が多い場合では自力で対処しきれないこともあるかもしれません。そんな場合には躍起になってカルキ抜きをせず、水道業者に依頼することが一番合理的です。

水道業者に頼めばカルキ臭以外の異臭がする場合でも迅速に解決してくれます。ただ中には水道業者に頼んだ際にかかる料金が気になる方もいるでしょうが、その点も事前見積もりをしてくれる業者を探して依頼しておけばまず間違いありません。水道水に関するトラブル以外でも頼れる業者を探しておけば万が一の時にも安心なので、事前に探しておくくらいでもいいかもしれません。

 

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。水道水のカルキ抜きが自力でも簡単に試せることがお分かりいただけたかと思います。

水道水のカルキ抜きさえ自力でできればわざわざお金を払ってミネラルウォーターを購入する必要もありませんし、その浮いたお金は別の部分に充てることだってできます。お金の不安が尽きない時代に突入した今だからこそ、こうした部分からこまめに節約していくことが大切です。カルキ臭がなければ日本の水道水ほど安全で清潔な水もないので、この記事を読んでその内容を疑っている方ほど一度試してみることをおすすめします。