第一章:トイレタンクの構造

 

1-1:トイレタンクの構造

ご家庭のトイレに備えられた「タンク」、毎日家族全員が複数回使用する、とても身近なものですが、詳しい構造やそのメンテナンス方法、ご存知ですか?今回はトイレタンクの構造から、起こりやすいトラブルと原因や対処法、さらにはメンテナンスの仕方まで、詳しくみていきます。

トイレの種類は、大きく4つあります。便器とタンクがそれぞれした独立している「組合せ便器」、便器とタンクが一体となった「一体型トイレ」、タンクが収納内に入れ込まれた「システムトイレ」、そしてタンクのない「タンクレストイレ」です。機能やデザインが異なりますので、目的に応じてそれぞれのご家庭に設置されているかと思います。今回は一番多く普及している種類の「組合せトイレ」のタンクについてみていくことにしましょう。

それでは、トイレタンクの役割について改めてご紹介します。最近は節水型のトイレも増えてきましたが、トイレの水は1回流すのに、約7〜8リットルもの水量が必要となります。便器内に給水をするために、この大量の水を蓄える役割をしているのがトイレタンクです。和式、洋式とも、タンク部分はほぼ同じ構造をしています。また、タンク上部に手洗いがついているもの、付いていないもの、2種類あります。

タンクの内部はというととても分かりやすい構造をしているので、それぞれの仕組みがわかれば、自分で修理もできるようにもなるはずです。

 

1-2:トイレタンク各パーツ紹介

それでは、タンク内の各パーツをご紹介していきましょう。はじめに、タンク内を見る場合は、タンクのフタを外す必要があります。手洗いがついていないものはそのまま垂直に持ち上げると外れるようになっています。手洗いがついているものは、手洗い蛇口とタンクがジャバラ管でつながっていることもあります。ナットを回すと外れるようになっていますので、ゆっくり回して、フタから外してみてください。また、フタ部分はとても重さがありますので、落として割ったりケガをしたりしないように、十分に気をつけて扱いましょう。

主なパーツとしては、以下のようなものがあります。

「止水栓」給水を調整する箇所。壁に設置されており、修理前に給水を止めるときにしめることがある。

「ボールタップ」タンクの給水管との接続部にあり、開閉することで水を出し入れする。

「浮玉」タンク内の水に浮かんでおり、ボールタップと接続されている規定水量にまで浮かんでくると、ボールタップが閉まり、給水が止まる。

「フロートバルブ」タンク下部にある黒いゴム状のフタ。レバーと鎖でつながっていて。便器へタンク内の水を流したりせき止めたりしている。

「オーバーフロー管」は、タンク下部から上に向けて縦に設置されたパイプ。上部がタンクの規定水量よりもすこし上にでるような長さになっており、下部は便器へつながっている。これは、タンク内の水が規定量よりも多くなってしまったときに、オーバーフロー管へ流れ込むことで便器へ水を逃がし、タンクから水が溢れないようにする役割をしている。

 

それでは簡単に水が流れる仕組みをご説明します。まず、タンク内には規定水量の水が貯えられています。レバーを回すと、繋がれた鎖によってフロートバルブが開き、溜まっていたタンク内の水が一気に便器に流れ出ます。タンク内の水位が下がると、浮玉の位置も下がり、接続されたボールタップが開くことで、タンク内に給水がされます。タンク内の水が全て流れ出ると、フロートバルブは閉まります。そうすると、タンク内には水がどんどん溜まっていき、浮玉の位置も上昇、規定水位になるとボールタップが閉まり、給水も止まり、元の状態に戻ります。

ちなみに、手洗いがついているタンクの場合は、ボールタップの脇にジャバラ管とよばれるホースがついています。レバーを引いてボールタップが開くのと同時に、ジャバラ管を通じて給水され、手洗いにも水が流れて行く、という仕組みです。

また、レバーの大小の切り替わりはどのように行われているのでしょうか。これはフロートバルブの開き方の違いによるもので、小の場合は少しだけ開き、大の場合は大きく開くことで、水量が調整されています。ちなみに、大と小では水量に2リットルの差がありますので、こまめに切り替えると節水にもつながるようです。

 

1-3:トイレタンクが原因で起こるトラブル

一日複数回、大量の水が出入りするトイレタンク。トイレタンクが原因で起こるトラブルとしては、どのようなものが考えられるでしょうか。

まずは給水部分。ボールタップがきちんと機能しないと、タンク内にずっと水が供給され続けてしまいます。浮玉とボールタップがはずれてしまい、規定量をすぎても水が止まらない、という事態も考えられます。

オーバーフロー管については、破損やつまりがおこってしまうと、万が一タンク内の水量が多くなってしまっても、排水がされず、タンクからの水漏れの要因となってしまいます。

さらに、フロートバルブの開閉に不具合があると、いつまでも水が満タンにならず給水がされ続けてしまうことに。また、レバーとの間の鎖が切れてしまうと水が流れなかったり、ゴム製のため経年劣化による割れが起こったり、などのトラブルも考えられます。

タンク本体そのもののトラブルというのはあまり聞かれませんが、掃除の際のフタの取扱などには十分に気をつける必要がありそうです。

 

第二章:トイレタンクのメンテナンス

 

2-1:トイレタンクのメンテナンスをしないとどうなる?

先の章でありましたように、タンク内にはパーツが様々あります。その中のパーツに1つでも不具合があると、うまくタンク内が機能せず、トラブルの原因になってしまうのです。

給水がされつづけてしまうと、水道料金が高額になりますし、排水がしっかりできないと、水が溢れたりつまったりする原因にも。日々のメンテナンスが重要となってくるようです。

 

2-2:簡単にできるメンテナンスの方法

それではご自宅でも簡単にできる、トイレタンク内のメンテナンスについてご紹介します。

はじめに、トイレでの作業をする場合は、ウォシュレットや便座ウォーマーの電源を切り、コンセントを抜きましょう。これは、水に濡れることで感電や機械の故障を防ぐためです。

そして、止水栓をしめ、給水を一度とめましょう。止水栓は、マイナスドライバーか付属の金具を使い、時計回りに回すとしまります。固い場合は無理に力を入れると破損し水が溢れてしまうことにつながってしまいます。その際はご家庭の大元の水栓を一時しめてください。

次に、タンクのフタを開けてはずします。フタを開けたら、内部の各所がきちんと正常に働いているのかをチェックしていきましょう。ポイントとしては、ボールタップと浮玉、レバーとフロートバルブ、それぞれがしっかりつながっているかどうか。オーバーフロー管にヒビや割れはないかどうか。ボールタップはしっかり給水を止めているかどうか。フロートバルブは排水を塞いでいるかどうか。さらに、レバーを引いたときに、排水はきちんとされ、ボールタップが開き給水し、規定量に浮玉があがってきたらボールタップは閉まるかどうか。これらのポイントを確認し、日頃から不具合が無いか確認することをおすすめします。

また、タンク内の簡単なお掃除方法をご紹介します。重曹を1カップ、タンクの水の中にいれてください。そのまま5〜6時間放置して、そのあとレバーを流すだけで完了です。これで、タンク内の汚れが落ち、さらには消臭もあります。長時間放置する必要がありますので、お休み前やお出かけ前にするのがおすすめです。ぜひ月に数回、お試しください。

 

2-3:トイレタンクの部品交換は水道業者さんへ

もし、トイレタンク内をチェックして、不具合が起こった場合はどのように対処すればいいでしょうか。状況やパーツによっては、ホームセンターなどで部品を購入して、ご自身で修理可能な場合もあります。ただ、タンクの種類によっては部品を取り寄せなくてはならなかったり、専用の工具が必要となってきたり、と修理に手間や費用、時間がかかってしまうことも考えられます。家族全員が、一日必ず複数回使う、使用頻度の高い場所だからこそ、できるだけ早く確実に直したいトイレ。できるだけ早く水道業者さんへ連絡をし、対応をしてもらうことで、確実な修理がいち早くされることをおすすめします。

インターネットで調べると、とても多くの水道業者さんが出てくるかと思いますが、サービスや対応については会社によって様々。

一番大切なことは、互いに納得をした対処法と金額で作業を進め修理を完了することです。

中には、困っている状況を利用して、法外な金額を請求したり、中途半端な作業をおこなったりする場合もあるようですので、自己防衛もこめて、しっかり確認をするようにしてください。

一般的には、基本料金に加え、作業費、必要な場合は部品代が実費でかかります。もし部品交換の必要があっても、タンク内の部品は比較的お手頃なものが多いので、その点では安心です。

ちなみに、賃貸物件の場合は、原因や状況によっては管理会社が負担をしてくれるケースもあるようです。水道業者の前に、まずは管理会社へ連絡をしてみましょう。

 

まとめ

「トイレタンク」について、構造からトラブルの原因、メンテナンス方法までをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

日常生活で突然起こる水まわりのトラブル。

突然の事態が起こってしまってから慌てることが無いよう、正常に作動しているときにタンクのフタを開けて、内部を観察してそれぞれの役割をチェックしてみることをおすすめします。

また、日頃のお掃除やメンテナンスも長く快適に使うためのポイントになりますので、ぜひ心がけてみてはいかがでしょうか。