はじめに

下水道とはそもそも日本各地で重大な公害問題が発生した際に、水質改善の目的から全国の至る所へと敷設されたことがきっかけで普及するようになりました。しかし日本の下水道は現在もなお問題を抱えていること自体はあまり知られていません。上下水道ともに老朽化が年々進行しており、耐久性が落ちている状況だからこそ水道管だけでなく、下水道でさえ破裂する可能性が懸念されています。

そこで今回の記事では、日本の下水道が抱える問題や破裂する可能性について解説します。下水道について日頃から関心がある方もいないとは思いますが、過去に排水管が破裂した事故では下水が噴出して近隣の住居が浸水するといった事態にまで被害が深刻化しました。自分の住居が原因となり下水道管が破裂してしまえば、近隣住民の方に多大な迷惑をかけることにもなりかねません。そうした事態を避けるためにも、水道についての知識を多少なりと身につけておく必要があります。

 

 

 

1章:日本の下水道が抱える問題とは

この章ではまず、日本の下水道が現在もなお抱えている問題について解説します。日本の下水道が抱える問題というと自分は特に関係ないように感じるかもしれませんが、日本全体としての今後の課題ととらえて社会事情として大まかにでも知っておくといいでしょう。

 

1ー1 未整備地区への敷設

水質改善の目的から日本各地で下水道が敷設されてきた経緯がある訳ですが、今なお下水道の未整備地区も点在しています。ただし下水道整備には莫大な費用と時間がかかるだけでなく、周辺地域の自然環境にも多大な影響を及ぼしてしまいます。そうした観点から公共下水道を整備できない地域であれば合併浄化槽を新たに設けることで、地域ごとの状況に即した形での下水道整備を行おうとする動きもあるようです。

しかしそれを実行に移すためには行政が適切な指示を出しつつ、品質および維持管理の基準を明確化しなければなりません。またその地域に住んでいる方も、汚水排出に関する知識をある程度は持っておく必要がこの先あるかもしれません。

 

 

1ー2 汚水処理技術の向上

下水道が整備されている地域であれば問題がないかと言えば実際にはそうではなく、過去の水質基準に基づいて設計された浄水場では汚水処理技術が万全でない地域も未だに存在しています。そうした地域であれば施設自体の改善とともに、水質基準の更新についても同時に進めていく必要があります。また浄水場で働く次代の技術者の育成についても問題を抱えているのが現状ではあります。特に一般家庭から排出される生活排水の処理技術を向上することで、ゆくゆくは汚水をも再利用して環境資源の保全に努めるという今後の展望も想定されているようです。

 

1ー3 下水道の財源確保と費用の軽減

下水道整備は前述したように莫大な費用がかかるため、財政が逼迫している現状では下水道整備のために捻出する財源が国庫にないというのが現状です。財源確保が急務とされている日本ではありますが、仮に敷設した場合においてもすぐさま下水道を各家庭で利用できる状況にしなければ維持費を回収することもままなりません。下水道事業単体としてではなく他事業と包括した事業の進め方をするという方法も考えられていますが、そうした体制が整うまでには相応の時間を要することが考えられます。

 

 

 

2章:下水道が破裂する前触れとは

上記のような情報はあくまで予備知識ではありますが、それでは実際に家庭内に整備されている下水道が破裂する時にはどのような前触れがあるものなのでしょうか。その具体例については以下のようになります。

 

・複数の場所で同時に水が流れない

・敷地内にある排水枡から水があふれている

・木の根が下水道に伸びている

・家の中の排水がスムーズに行われない

・トイレの流れが滞りがちである

・トイレを流す度にゴボゴボという音がする

・水道を使っている場所とは別の場所からゴボゴボという音がする など

 

これらの前触れが見られた際には、下水道に何らかの問題が生じていると解釈するべきでしょう。排水がスムーズではない時点でなるべく早急に業者まで相談するようにすることで、破裂する前に下水道管の問題を取り除いてもらえる可能性が高くなります。

 

 

3章:下水道が破裂する可能性は

そもそも下水道と呼ばれる排水管は床下や壁の裏側、地中などに通されているため、普段生活しているだけでは目にすることはほとんどありません。しかし目立たない箇所にある下水道だからこそ何らかの原因により詰まったり壊れたところで気付かれない場合が多く、もしも破裂してしまったら想像以上の水道トラブルへと発展することも少なくありません。下水道の破裂を予防する意味でも水はけが悪くなった時点で業者に相談することで、早期解決を図ることができます。

 

 

4章:下水道修理の方法とは

下水道を修理してもらうためには業者を呼ぶ必要があることは分かりましたが、この記事を読んでいる方の中にはどのように修理していくかが気になる方もいるのではないでしょうか。以下では下水道の修理方法についてその一例を解説しているので、興味がある方は各項目について目を通してみるといいでしょう。

 

4ー1 排水管の詰まりを解消する場合

家庭内の排水が滞りがちになったら、排水管が詰まっている可能性が考えられます。その場合には以下の手順にて修理が進められることになります。

 

①家庭内の排水口に異常がないかを点検する

②排水口そのものに異常がない場合であれば、次に排水枡を点検する

③排水枡に異物が詰まっていれば、以下の方法で清掃していく

 

・ワイヤーを異物部分に貫通させ、モーターで回転させながら詰まりを取り除く

・高圧洗浄機を利用して詰まりを取り除く

 

排水枡に詰まる異物としては汚物や油の塊が主となりますが、下水道へと木の根が伸びている場合には木の根でも詰まってしまう場合があります。これらの異物が排水枡に留まっていると下水の流れを堰き止めてしまうため、家庭内の至る所で下水が逆流することになります。

詰まりを取り除くだけであれば前述したワイヤーによって詰まりを解消すればいい話ですが、再発防止も兼ねる場合には排水枡を高圧洗浄することがしばしばあります。高圧洗浄機を用いることで詰まりが解消されるだけでなく、広範囲で清掃できるため下水の悪臭を同時に解消することも可能になります。

 

 

4ー2 植物の根が原因の場合

特に庭付きの一戸建てであれば排水枡の中に植物の根が入り込み、そのせいで下水が逆流したり水漏れに発展することも起こりうるものです。ただ植物の根が原因と分かった場合であれば、業者を呼ばずとも自力で解消できる場合があります。その具体的な手順については以下のようになります。

 

①排水枡の蓋を開けて、中を確認する

②手が切れないようゴム手袋をはめたら、細長い植物の根については手で引き抜いていく

③引き抜いた植物の根をゴミ袋に入れる

④引き抜き切れない根については、ハサミで短く切っておく

⑤ホースかバケツを使って、排水枡の内部を水洗いする

⑥引き抜いた植物の根は燃えるゴミとして処分する

 

ただし植物の成長スピードは想像以上に早いため、再発防止を防ぐ意味合いでも業者に相談して、モルタルなどで植物の根が入り込んでいた隙間を埋めてもらう方が無難ではあります。

 

 

4ー3 豪雨時に下水が噴出した場合

最近では地球温暖化の影響によりゲリラ豪雨が各地で見られるようになりましたが、この集中豪雨による下水の噴出被害は一戸建てを中心として増加傾向にあります。ゲリラ豪雨に限らず集中豪雨の際に家庭内にある排水口からゴボゴボという音が聞こえたら、それは下水が噴出する前触れである可能性が高くなります。そうした場合には、以下の方法をとることで噴出することを回避できる可能性があります。

 

①敷地内にある排水枡を探す

②排水枡の蓋にある小さな溝に、マイナスドライバーを差し込む

③力を入れて引き上げるとこじ開けられるので、蓋が外れたら排水枡の蓋を少しだけずらしておく

④集中豪雨が止むまで排水枡の全ての蓋をずらしたまま放置する

 

すぐに止む程度の豪雨であれば噴出するまでには至らないかもしれませんが、長時間続く場合には排水枡の蓋をずらすことにより排水管にかかる圧力を減圧することで下水の噴出を防げることがあります。あくまでも応急処置的な方法ではあるのですが、こうしておけば排水枡周囲に下水が漏れ出すことはあっても家庭内で噴出する大事には発展しにくくなります。家庭内で下水が噴出する方が後処理が面倒になる可能性が高いので、可能であればこうした対策をとる方が被害が抑えられていいかもしれません。

 

また排水管が詰まる以外でも、以下の原因によって下水道トラブルが起きる可能性は十分あります。

 

・排水ポンプが正常に作動していない

・下水道本管が増水しており、水はけが悪くなる

・地震などの災害で排水管が破損している

・排水管の傾斜によって問題が生じている など

 

これらの原因の場合にも排水管が詰まっている場合と同様の症状が見られるため、素人がその原因を特定することは非常に難しい部分があります。ただ下水道トラブルの原因やその修理方法によってもかかる費用が左右されるので、事前にどのくらいお金が必要になるかを知りたい方は事前見積もりをしてくれる業者を探すといいでしょう。

 

 

 

まとめ

下水道が何の前触れもなく突然破裂して下水が噴出するということはなかなか考えにくいですが、もしもの事態が全く起こらないとは誰にも言えません。そうした万が一の事態を日頃から想定しておくことで、トラブルが実際に発生した際にでも迅速に対応することができます。

今まで下水道トラブルに直面したことがない方であれば、まずは事前見積もりをしてもらえる近隣の水道業者を探しておけば一安心と言えるでしょう。