はじめに

誰もが毎日必ず使う家庭のトイレ。ですが毎日使う分トラブルも発生しやすくなってしまいます。今まではトラブルが発生していなかった方、一人暮らしを始めてトイレのトラブルに自分で処理しないといけなくなってしまった方。こういった方々のために、今回はタンク式トイレで起こるトラブルと、その対処法について詳しくみていきたいと思います。

 

 

 

1章:タンク式トイレで起こりうるトラブル

具体的なトラブルに入る前に、家庭のトイレには大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか?それは、「タンク式トイレ」と「タンクレストイレ」です。タンク式トイレは皆さんのご家庭によくある、タンクとトイレがくっついているトイレです。基本的にはトイレの後ろにタンクがあります。一方でタンクレストイレは、洗浄のための水を貯めておくタンク(ロータンク)が無い、水道直結方式のトイレです。ロータンクが無いので、一般的なタンク式のトイレと比べると、圧迫感のない、すっきりとしたデザインとなります。

 

タンクレストイレはデザイン性、コンパクトさ、掃除のしやすさなどがメリットとしてあげられますが、タンク式トイレに比べると5~10万円程度高いこともあり、現在の主流はまだタンク式トイレといってもいいでしょう。

 

1-1:トイレのタンクの役割

そもそもタンク式トイレにはなぜタンクがついているのでしょうか。それは水を蓄えるためです。最近は節水型のトイレも増えてきましたが、トイレの水は1回流すのに、約7〜8リットルもの水量が必要となります。便器内に給水をするために、この大量の水を蓄える役割をしているのがトイレタンクです。ちなみに和式、洋式とも、タンク部分はほぼ同じ構造をしていますが、今回は洋式のタンク式トイレについて考えていきます。また、タンクにはタンク上部に手洗いがついているものと付いていないものの2種類あります。

 

1-2:タンクの部品とタンクの仕組み

タンク式トイレで何かトラブルが発生した際、タンクの仕組みを知っておくと対処しやすくなります。そこでここでは、タンクの中の部品やタンクの仕組みについてみていきたいと思います。

 

まずタンク内の主な部品としては、止水栓ボールタップ浮玉フロートパイプオーバーフロー管があります。

 

止水栓は給水を調整する箇所です。壁に設置されていて、修理前に給水を止めるときに使います。

 

ボールタップはタンクの給水管との接続部にあり、開閉することで水を出し入れする機能を持っています。

 

浮玉はタンク内の水に浮かんでいて、規定水量にまで浮かんでくると、ボールタップが閉まり、給水が止まります。逆に浮玉が下がると、給水されます。

 

フロートバルブはタンク下部にある黒いゴム状のフタで、鎖でレバーとつながっています。このフロートバルブの開閉によって、便器へタンク内の水を流したりせき止めたりしています。

 

オーバーフロー管は、タンク下部から上に向けて縦に設置されたパイプです。これは、ボールタップが故障した場合に、タンクの外へ水があふれるのを防ぐため、この管から便器へ水を逃がすという役割を持っています。

 

次に水が流れタンクに水が貯まる仕組みについて簡単に説明します。タンクには元々水が一定量蓄えられています。レバーを回すと、フロートバルブが開き、タンクの水が便器に流れます。そのときに浮玉が水位とともに下がることで、ボールタップが開き、タンクに水が貯まります。

 

以上がタンクの部品や、水が流れる仕組みの説明になっています。それでは、次にタンク式トイレで実際に発生するトラブルと、その対処法についてみていきましょう。

 

1-3:水が流れないときの対策

まず想定できるトラブルとして、水が流れないということがあります。水が流れる仕組みは先ほど説明した通りなので、そのうちのどこかの部品に異常が生じていると考えられます。原因としては、止水栓が閉まっている、レバーの鎖が傷んでいる、浮玉が引っかかっている、ボールタップが動かないなどが考えられます。

 

止水栓が閉じている原因は、トイレの掃除や修理後で止水栓を開け忘れた、というケースがあると思います。止水栓が開いていなければ、当然水は流れませんので、開けてください。ただし開けすぎても、給水量が多すぎてタンクから水があふれてくるので注意が必要です。調節に不具合が生じないように、閉めた回数を覚えておき開ける時は同じ回数を回してあげるようにすれば上手く調整できると思います。

 

レバーからフロートバルブにつながる鎖にサビや汚れ、またはたるみや切断などがあると、浮き球が動かず、水がタンクに溜まりません。そのような場合は鎖を掃除したり、交換すると直ることが多いです。

 

浮玉は水を流す際に発生する上下運動によって壁などに引っかかっていることがあります。基本的には動きを確かめて、正しい位置に戻してあげればいいのですが、何度も浮玉の引っかかりが発生することもあります。その場合は、ボールタップやタンクが浮玉の引っかかりを誘発している可能性もありますので、ボールタップやタンク自体の交換も考える必要が出てきます。

 

ボールタップはゴミや水垢があると動きが悪くなり、水が出なくなることがあります。その際はブラシやサンドペーパーでよく落とせば解決するはずです。

 

止水栓の開閉やタンク内部品の掃除に関しては手間もそこまでかかりませんし、自分でやってしまうのがいいと思いますが、部品の交換に関しては専門の業者に依頼してもいいと思います。交換用の部品はホームセンターや通販で売っていることが多いですが、商品や規格によって適正な部品は変わってきます。また必要な道具も増えますし、作業も細かくなっていくので、自信がない人や自分でやるのが面倒な人は業者に任せてしまいましょう

 

1-4:水が止まらないときの対策

次に水が止まらない、というトラブルも頻繁に起こります。この場合に考えられる原因はタンクに異物が入っているフロートバルブが劣化している浮玉が外れているボールタップやパッキンの汚れや傷みなどが考えられます。

 

節水のためにタンクにペットボトルなどを入れている人は少なくないと思います。たしかにそれは節水にはなりますが、タンクの異常を引き起こす可能性も否定できないので、推奨できません。

 

また、フロートバルブにゴミがはさまったり、はずれてしまった場合は掃除や取り付けをして対策しましょう。フロートバルブそのものが劣化してしまうと、水が流れっぱなしになり、止まらなくなることがあります。その場合は部品ごと交換してください。

 

浮玉がはずれると、水が止まらなくなります。また、浮玉の中に水が貯まってしまったときは、交換が必要です。

 

ボールタップにゴミや水垢が付着している場合は、取り除きましょう。このボールタップのパッキンが傷んでしまっているときは、交換が必要です。

 

 

1-5:詰まってしまったときの対策

トイレが詰まった場合、原因の可能性としてはタンク内の異常と異物による便器のつまりの2種類に分けられます。

トイレが詰まってしまった時はまずはバケツを使って水を大量に流してみましょう。トイレットペーパーが原因で便器のつまりが発生している場合や、部品が引っかかっていて水が流れにくい場合は、一度やかんやバケツで水を流すだけで直ってしまうこともあります。その際は高い位置から水を流す、一気に水を流さない、水を流す際にレバーを回さない、の3点を注意しましょう。

 

タンク内の異常の場合は、上記の「水が流れない」もしくは「水が止まらない」時と同じ原因であることが多いです。これらを参考にして、色々試してみるといいでしょう。

 

トイレのつまりの原因に多いのはトイレットペーパーや生理用品、スマホといった異物が排水管に入ってしまうことです。トイレットペーパーなどの紙類であればぬるま湯をかけることで対処はできますが、水に溶けない固形物の処理は少し難しいです。その場合の解決策として有用なのがラバーカップです。

 

ラバーカップは真空状態を作って引き抜くことで、つまりの原因になっている異物を動かして解消する、という仕組みになっています。ラバーカップの使用手順としては、まず止水栓を閉めることでトイレの水位を下げる、また水が跳ねた時ように床にビニールなどを敷くといった事前準備が必要です。

ラバーカップを用意したら、便器の中へラバーカップを押し込みます。このとき、カップの中に真空状態を作らなくてはならないので、斜めに押し込んだり、空気が入ったりすることのないように気をつけてください。押し込んだ後は、カップが隠れるくらいの水を入れます。そのあと、一気にラバーカップを引き抜きます。一度で上手くいかなくても何回かやると上手くいくこともあります。

 

ラバーカップでも上手くいかなった場合や、落ちた物を取り出したい場合は専門の業者に頼むしかありません。事態が深刻になる前に早めに依頼しましょう。

 

1-6:タンクから水が漏れているときの対策

トイレのタンクからの水漏れの原因は、大きく分けると二つあります。ひとつはタンクの外側、つまりタンクと、パイプや水道栓の接続部分からの水漏れです。この場合は比較的トラブルの原因が見つけやすいでしょう。もうひとつは、タンクの中でトラブルが起きているケース。タンク内部の水を止めるための仕組みがうまく働かずに水が漏れだしているのです。この場合は原因が前者に比べるとわかりづらいので、対処が面倒になりがちです。

 

トイレの水漏れを見つけたら、まずは水道の元栓を閉めましょう。次に水漏れしている場所の確認です。水漏れがタンクの外側であれば、接続部分のナットを締めただけで簡単に解決することもあります。またパッキンが劣化や損傷していると、そこから水漏れが発生するので、パッキンも確認して、交換なり対策を施しましょう。

 

水漏れがタンクの内部の場合、まず原因を探します。原因となりうるのは、タンク内部品の異常です。これらがしっかり機能しているか、損傷や劣化はないか、といったことに注意しましょう。よくあるのは、浮玉がはずれているケースです。しっかりはめ直すだけで水漏れが解決することも多いのです。また、浮玉のパッキンの劣化も考えられます。まずはそのあたりをチェックしてみましょう。

 

これらの対処法をとっても上手くいかない場合は、タンクに接続しているパイプ自体が損傷している可能性があります。またタンク内部の水漏れの場合、原因を特定するのが難しいこともあります。水漏れを放置すると腐食やカビなどを引き起こしてしまうこともあるので、自分で対応できない場合は、業者に依頼したほうが早いかもしれません。

 

以上がタンク式トイレで発生するトラブルと、その対策です。自分一人で対処できる場合も多いですが、やはり理想はトラブルが起きないことですよね。そこで次の章では、トラブルを起こさないための予防法について、確認していきたいと思います。

 

2章:トラブルを起こさないための予防

 

タンク式トイレでトラブルが起こる事は仕組み上ある程度仕方ない事と言えます。

しかし、そういったトラブルは回避できるのであれば回避するべきではあります。

ここではそういったトラブルを事前に回避するための予防方法を幾つかご紹介したいと思います。

 

2-1:トイレに異物を流さない

まず大事なのがトイレに異物を流さないことです。トイレに異物を流してしまうと、それだけでトイレが詰まる原因になってしまいます。基本的に便器に流しても良いものは排泄物と適度な量のトイレットペーパーだけです。トイレットペーパーに関しても、大量に流すとつまりの原因になるので注意しましょう。

 

また、「水に流せる商品」もあまりトイレに流すべきではありません。ある程度水に流しやすい商品にはなっていますが、水に溶けるわけではないので、たくさん流しすぎるとつまりの原因になります。

 

トイレで使う用品にも注意が必要です。おむつや生理用品は、水に溶けないばかりか、水を吸収して膨らむため、つまりの原因になります

 

スマホや子供のおもちゃ、キャップ類などもよくある原因のようです。取り出す必要のある物を落とした場合は、業者に頼まないとどうしようもないので、落とさないよう、注意することが大切です。

 

2-2:トイレに物を置かない、持ち込まない

トイレに異物を落とさないためには、トイレの周りに余計な物を置かないことが一番です。芳香剤のフタや、生理用品などは異物混入のケースとしてはよくあるので、これらは便器の近くには置かないようにしましょう。

 

またお子さんがいらっしゃる家庭に多いのが、おもちゃを流してしまうトラブルです。トイレでゲームをして居る時にゲーム機やスマホや落としてしまったという原因も多いです。トイレではあそばない、というルールを家庭内で作っておけば、トイレつまりの予防になるでしょう。

 

2-3:過度な節水をしない

最近節水のためにペットボトルやビール瓶をタンクに入れる等の節水方法や、フロートバルブに重りをつけて水の量を減らす節水弁などを使用する人がいますが、それらは今すぐやめましょう

タンクに入れた異物が大事な部品に引っかかって機能停止してしまう場合や、フロートバルブの損傷につながりかねません。節水をするのであれば、便器自体を節水エコタイプの物に変更するなど別の方法をとりましょう。

 

 

2-4:日頃からタンク内の掃除をする

トイレのタンクのトラブルの原因は、ゴミの付着や汚れといった場合も多いです。これを防ぐのが定期的な掃除です。トイレのタンクの掃除方法としてはトイレ用の中性洗剤や重曹が効果的です。ちなみに酸性のものは故障の原因となるので、使わないようにしましょう。

 

ここでは重曹を使った掃除方法について説明します。

重曹を1カップ、タンクの水の中にいれます。そのまま5〜6時間放置して、あとは流すだけで完了です。これで、タンク内の汚れが落ち、さらには消臭効果もあります。長時間放置する必要がありますので、お休み前やお出かけ前にするのがおすすめです。

 

また日頃からタンク内を点検するのも有効な手段です。ポイントとしては、ボールタップと浮玉、レバーとフロートバルブ、それぞれがしっかりつながっているかどうか。オーバーフロー管にヒビや割れはないかどうか。ボールタップはしっかり給水を止めているかどうか。フロートバルブは排水を塞いでいるかどうか。さらに、レバーを引いたときに、排水はきちんとされ、ボールタップが開き給水し、規定量に浮玉があがってきたらボールタップは閉まるかどうか。こういったことを日頃から確認しておくと、早め早めの対策が可能になると考えられます。

 

まとめ

タンク式トイレで発生するトラブルとその対策、そしてトラブルを予防する方法についてみてきましたが、いかがでしたか。トイレは生活する上でなくてはならないものです。そのため、突然トラブルが発生しても大丈夫なようにしっかり対策をたてておきましょう。

そして実際にトラブルが発生した時は冷静に対処し、自分で対処するのが難しい場合は業者に依頼しましょう。業者のなかには、相手が焦っていることに乗じて法外な値段を請求してくる業者もいますので、業者に頼む際はまず見積もりを出してもらった上で、判断しましょう。