はじめに

水道を使うと「ポタポタ」ハンドル辺りから水が垂れてくる症状。その原因の多くがパッキンの劣化です。パッキンの耐用年数は大体10年程度なので、何年も継続して使用していると、 パッキンが潰れてしまい、隙間に細かなゴミが挟まってしまうことがあります。蛇口を10年近く使っていて、このような水漏れが発生した時がパッキン交換のタイミングです。実は水漏れはパッキンを交換するだけで直ることも多いです。今回は蛇口のパッキンの交換方法について、見ていきたいと思います。

 

 

1章:蛇口のパッキン、交換タイミングは?

 

蛇口のパッキンは、寿命のある消耗品になっています。

このことからも、長年使っていると交換が必要になるタイミングというのは必ず出てきます。では、このタイミングとは具体的にいつになるのでしょうか。

ここではそういった事柄を説明していきたいと思います。

 

1-1:水漏れを放置した場合に起こること

蛇口やパッキンの具体的な話に入る前に、まず水漏れを放置するとどうなるか、ご説明させていただきたいと思います。

水漏れは水がつまって流れない、といったことに比べると緊急性は低く、放置してしまう方もいらっしゃるかと思われます。

しかし、水漏れの放置は危険です。水漏れの放置は、カビ、腐食、水道代の無駄遣い、といったことを引き起こします。

 

水漏れを起こしている箇所は常に濡れている状態なので、カビが繁殖しやすくなります。特にキッチンの蛇口は調理の場であるため、カビが生えてしまった場合は一大事といえます。

 

防水処理が施していない壁や床が近くにある場合、ジワジワと漏れた水が壁や床まで伝って腐食させてしまうことも考えられます。

住宅にとって腐食は大変危険です。住宅の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。また、賃貸住宅やマンションで腐食を起こした場合、管理会社や他の住人への賠償を求められることもあるので注意してください。

 

また、水が漏れている状態は水道を常に使っているような状態なので、当然ながら水道代は高くなります。普通の水漏れであれば大きな影響にはなりませんが、長い年月放置しておくと予想以上に大きな額になることもありえるので、早めに対処した方が良いと言えるでしょう。

 

このように水漏れを放置していると様々な悪影響があります。大事になってから後悔しないように、早めに対処することを意識しましょう。

 

1-2:2種類の蛇口の特徴

個別のパッキンの話に行く前に、まず蛇口には大きく分けてシングルレバータイプ2ハンドル混合タイプの2種類あることを覚えておきましょう。

 

シングルレバータイプは最近主流のタイプで、レバーが一つだけあってそれを上下左右に動かすことで温度や水量を調整します。シングルレバータイプの特徴としては、水漏れの原因がパッキンのほかにバルブカートリッジと呼ばれる部品にあることが多いこと、構造が複雑な分、個人での修理が難しいことが挙げられます。バルブカートリッジは温度や水量を調整する心臓部のような部品で、ゆえに水漏れの原因にもなりやすいです。

 

2ハンドル混合タイプは昔からあるタイプで、築年数の長い住宅や公共施設等に多いです。温度や水量の調整は、温水と冷水に分かれた2つのハンドルを使って調整します。2ハンドル混合タイプは構造が単純な分シングルレバータイプより壊れにくく、修理が比較的容易です。またバルブカートリッジのような複雑な装置もないので、水漏れの原因は多くはパッキンの劣化のようです。

 

1-3:交換する場所を確認

交換を考える際にまず大事なのが、どの部分のパッキンが原因で水漏れしているかを確認することです。パッキンの劣化が原因と考えられる水漏れは大まかに分けると、蛇口の吐水口から水が漏れるレバーやハンドルの下のナットから水が漏れるパイプの根元から水が漏れる取り付け部分から水が漏れる、の4通りあります。

 

ハンドルを閉めても吐水口から水漏れが続く場合、シングルレバータイプであればバルブカートリッジの劣化が考えられます。このバルブカートリッジはレバーの下にあり、メーカーに問い合わせると販売先を教えてもらえるので、新しいカートリッジを買って交換しましょう

 

2ハンドル混合タイプと呼ばれている蛇口の場合は、ケレップと呼ばれるコマパッキンや、吐水口付近のUパッキンを確認しましょう。ここにゴミが詰まっていたり汚れていた場合は綺麗に洗って対処してみましょう。それでも漏れているようであれば蛇口のパッキンの交換が必要です。

 

ハンドルの下のナットから水が漏れている場合、シングルレバータイプであればバルブカートリッジの劣化や接続のゆるみが原因であることが多いです。このケースの対処法としては、ゆるみを確認し、ゆるみがあれば締め付ける、そうでない場合はカートリッジを交換することで対処できます。

 

2ハンドル混合タイプだとハンドル内部にある水栓ハンドル内パッキンが傷んでいることが多いです。この場合、水栓ハンドル内パッキンを取り替えることで水漏れを直せます。

 

パイプの根元から水が漏れている場合は、どちらのタイプでもナットのゆるみやパイプの根元付近のパッキンの傷みが原因として考えられます。この場合はナットの締め付けや、対応するパッキンを取り替えることで水漏れが直ることが多いです。

 

蛇口の取り付け部分からの水漏れの場合は、取り付け部分が壁が否かによって違います。壁に取り付けている場合はシールテープと呼ばれるテープを巻きつけることで対処できます。一方壁でない場合は、パッキンの劣化が原因になっていることが多いので、パッキンの交換で対処できることが多いです。

 

1-4:個人でできるのか

ここで「パッキンの交換などの蛇口の修理を個人でできるのか」という疑問がでてくるかと思います。こちら結論から述べますと、可能です。もちろん水漏れ箇所や症状によって違いますが、調べれば個人で水漏れを修理する方法がたくさん出てきます。簡単なものであれば30分以内で終わる上、道具を揃えたとしても金額的には安価で済むため、自分で修理が可能そうであれば、自身で修理してしまうのも良いかと思います。

 

ただ、パッキンやバルブカートリッジを間違えると上手く修理できないことや、最悪の場合失敗して悪化してしまうリスクを考えると、一概に自分で済ませるのが良い、というわけでもないようです。ご自身がお持ちの蛇口に対応するパッキンやカートリッジがわからない場合や、自分で修理できる自信がない場合、または自分で修理してみたものの失敗してしまった場合は素直にプロの水道業者に任せることをお勧めします。また、シングルレバータイプは構造が複雑な分修理が難しいので、最初から業者に任せてしまう人も多いようです。

 

1-5:必要な道具と物

蛇口の修理に必要な道具はドライバーセットと、モンキーレンチもしくはウォーターポンププライヤー、ラジオペンチです。また、交換するパッキンやケレップ、カートリッジなども準備しましょう。交換する部品の規格はメーカーや蛇口によって違うので、注意しましょう。ホームセンターや通販サイトなどで買ってもいいですが、その前にメーカーに問い合わせて正しい部品を確認すると確実です。

 

それでは、実際にパッキンを交換する手順を次の章で見ていきたいと思います。

 

2章:蛇口のパッキンを交換する

 

蛇口のパッキンを交換するための道具をそろえたら、次は実際に交換をしてみましょう

 

2-1:分解作業に入る前に

本格的に分解作業に入る前にやっておくべきことが2点あります。それは元栓を閉めることと、接続を確認することです。

 

元栓を閉めるのは、作業中に水が噴き出してきてしまうことを防ぐためです。元栓のある場所はマンションなどの共同住宅であれば玄関の扉を開けて隣のパイプスペースの中にあり、一戸建てであれば敷地内の地面にあります。閉めたら蛇口をひねってみて水が出ない事を確認してみましょう。その際、水が出てくるようであれば元栓が閉まっていない証拠です。

 

接続を確認するのは水漏れの原因が接続のゆるみであることも考えられるためです。パッキンの交換には蛇口の分解が必要ですが、分解には手間がかかります。接続のゆるみを解消するのは簡単なので、一度確認しておくことをお勧めします。何故ならば、いざ分解してみたものの原因が接続の緩みと分かってがっかりする、といったこともなくなります。

 

ではまず、比較的交換の簡単な2ハンドル混合タイプの方から見ていきます。今回は2ハンドル混合タイプに多いケレップの交換の手順を見ていきます。

 

2-2:ハンドル、カバーナット、スピンドルを外す(2ハンドル混合タイプ)

まずは蛇口のレバーやハンドルを外します。レバーやハンドルはキャップやネジによって固定されているので、キャップはラジオペンチで、ネジはドライバーを使って外します。

 

次にモンキーレンチでカバーナットを外します。その次にスピンドルと呼ばれる、細長い棒を手で外します。スピンドルが固くて回らない場合は、先ほど外したハンドルをカポッとはめて、いつも水を出すときのように回すと簡単に回ります。

 

 

2-3:古いケレップを取り出し新しいケレップを入れる

スピンドルを外すと、中に埋まっているケレップが見つかるはずです。そうしたら、それをラジオペンチでつまんで取り出し、新しいケレップを入れます。新しいケレップは古いケレップが入っていた場所に落とすという形で大丈夫です。古いケレップは使わないので、もう捨ててしまって大丈夫です。

 

 

2-4:逆の順番で組み立てる

あとは逆の順番で部品を戻していくだけです。スピンドルはケレップに挿すように入れて締めます。締めるのは手の力で締められるところまでで大丈夫です。

 

カバーナットはまず手で締めて、動かなくなったら、モンキーレンチで軽く締めます。

ここで締めすぎると水栓ハンドルの回転が悪くなりますので、もし作業後にハンドルが重いなと思ったら、ここの工程に戻り、カバーナットをほんの少しゆるめてください。

 

最後にハンドルをかぶせて、ネジやキャップで固定したら作業終了です。その後で水の元栓を開けて、水漏れがないかを確認して完了です。

 

次にシングルレバータイプのパッキンの交換方法について見ていきたいと思います。今回はシングルレバータイプの水漏れの原因になりやすい、バルブカートリッジやその付近のパッキンの交換について見ていきます。

 

2-5:レバー、カートリッジのカバーを外す(シングルレバータイプ)

まずはレバーを外します。2ハンドルの場合と同様に、キャップはラジオペンチで、ネジはドライバーを使って外します。

 

レバーを外すとバルブカートリッジの出っ張りが見えます。ただしこの状態では取れないので、その外側に付いているカバーをモンキーレンチなどで外します。

 

2-6:カートリッジを取り出し、カートリッジやパッキンを交換する

カバーを外せたらカートリッジを引き抜きます。カートリッジは固定されているわけではないので、手で引き抜けるはずです。そしたらカートリッジや、その付近のパッキンを交換します。カートリッジの下にあるパッキンを交換する場合は、先に新しいパッキンを取り付けてから、その後でカートリッジを戻します。

 

カートリッジ本体のパッキン交換ですが、実はパッキンだけを交換することはめったにありません。交換するときはカートリッジ本体ごと交換することが多いです。

 

パッキンの交換ですが、交換の際は、パッキンの向きに気をつけてください。大抵のシングルレバーのパッキンは、下と上のパッキンが向かい合わせになるように取り付けますので、説明書をよく読んで、間違えないようにしましょう。

 

2-7:逆の順番で組み立てる

あとは2ハンドル混合タイプと同様に、逆の順番で組み立てるだけです。組み立てが完了したら、元栓を開けて水漏れがないか確認して完了です。

 

以上が蛇口のパッキンの交換の流れです。手順通りにやれば悪化することはないと思うので、自信がある方は是非挑戦してみてもいいかもしれませんね。

 

ただし蛇口の水漏れの原因はパッキンやバルブカートリッジだけではありません。次にパッキン等を交換しても蛇口の水漏れが直らないケースについて、見ていきたいと思います。

 

 

2-8:パッキンを交換しても水漏れが直らない場合

蛇口のパッキンを交換しても水漏れが直らない、ということもあります。その場合に考えられる原因としては、蛇口やパッキンの汚れパッキンのサイズなどの間違い締め付けがゆるいそもそも蛇口自体の問題、などがあります。

 

汚れに関しては蛇口やパッキンを洗浄することで対処できます。サイズや規格が違うならメーカーに問い合わせるなりで正しいものを手に入れれば良いのですが、蛇口が古い場合は対応する部品が製造終了していることもあります。その場合は蛇口ごと新品のものに取り替えた方が将来的にも良いでしょう。

 

締め付けがゆるい場合は締め直せば解決するはずなのですが、締め過ぎると蛇口内の水道管に余計な圧がかかり、老朽化を促進させる恐れがあります。よって、締め直す際は水漏れの状態を確認しながらこまめに締め直してくのが一番理想です。

 

汚れ、サイズ違い、締め付けなどの対処はそこまで難しくないので自分でやってみるといいでしょう。しかしそれでも直らない場合や、蛇口自体に原因がある場合は、プロに任せた方が楽になると思います。

 

 

3章:交換を自分でやるかプロに依頼するか

 

ここでは、自分でやるかプロに依頼するか悩んでいる方に、自分でやるメリットデメリットをそれぞれご紹介していきたいと思います。

 

3-1:自分でやるメリット

 

 

まず自分でやるメリットですが、当然費用は安くすみます。カートリッジは一つ5000円程度と高めですが、パッキンは150円程度と安く、また必要な道具もモンキーレンチが1000円くらいなので、パッキンの交換なら1000円代で収めることができます。プロに任せると1万円以上するケースもあるようなので、大きくお金を節約することができます。

 

また自分でやると時間もかかりません。水漏れの原因がわかっていれば、修理作業は30分程度で終わらせることもできるそうです。もしプロに依頼する場合は、工事の間自分が家にいないといけませんので、そういった面倒事がないのも自分でやることの魅力ですね。

 

3-2:自分でやるデメリット

今度は逆に自分でやるデメリットについて見ていきたいと思います。自分でやるデメリットは、安全性と、手間が挙げられます。

 

まずやはり自分でやるのには不安がつきまといます。ネットなどで調べればやり方はたくさん出てくるとはいっても、知識も経験も足りません。また失敗してしまえば、水漏れが悪化して結果的に費用負担が増す何度もやることになり必要以上に時間がかかってしまう、といったことも想定できます。

 

次に自分でやった方が手間がかかってしまう、ということがありえます。「プロに頼む方が電話や見積もりなど必要なために手間がかかるのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、必要な物を調べて購入するのに時間がかかったり、交換の方法も商品の種類によって色々あるために、ネットで正しい情報を見つけるのも苦労する可能性があります。それならば、最初からプロに任せてしまった方が一回きりで楽、という考えもできると思います。

 

基本的にはこれらを天秤にかけて、自分でやるかプロに任せるか判断することになりそうですね。

 

 

 

まとめ

いかがでしたか。蛇口にはシングルレバータイプと2ハンドル混合タイプの2種類があり、水漏れの原因や対処方法もそれによって違うことが分かったかと思います。

 

今回紹介したパッキンの交換は、そこまで難しいものではありませんので、原因がわかる場合や自信がある方は是非挑戦してみましょう。

 

一方で原因がわかっていなかった場合や一回やって上手くいかなかった場合、また自分でできる自信がない方はプロに依頼するといいでしょう。ただし業者の中には立場を利用して法外な額を請求してくる業者もいますので、業者に頼む際には、無料で相談や見積もりができるところを選びましょう。