家庭の水回りの代表格がトイレです。

そこでのトラブルは、もしも起こってしまったらすぐに対処をしないと大変なことになってしまいます。
しかし困ったことに、このトイレが家庭の水回りで最も多くのトラブルを起こしているというのもまた事実です。
いつ皆さんのご家庭のトイレで問題が発生しても、まったく不思議ではないのです。

この記事ではトイレで多く起こってしまうトラブルを5つ、次いで多く聞かれる3つのトラブルを組み合わせた、8つの事例を紹介していきます。
それぞれを引き起こす原因、起こってしまった場合の対処法も解説していきますので、「もしも」の時にすぐに参考にして、トラブルをストップさせてください。

 


 

第一章:よくあるトラブル事例と原因と対処方法

最初に、特に多く見られるトイレのトラブル例5つを紹介していきます。

1・水を流すと止まらなくなってしまう

トイレで用が済んで、水を流しハイおしまい。
いつもの当たり前のことですね。

ところがこの日は背中の向こうで、ずっと「ジャーッ」と音がします。
もう終わるだろう、もうそろそろだろうと考えても、いつまでたっても鳴りやまない音。
「これはまずいかも・・・」
そんなふうに襲ってくるトイレのトラブルが、「水が止まらない」という現象です。
トイレタンクのレバーを確認してもそれはきちんと戻っているので、やはり何らかの問題が発生しているのは間違いありません。

なお「水が止まらない」というこのトラブルの種類には、トイレを使っていない時間にも水がちょろちょろ、少しずつ流れているというのもあります。
水がちょろちょろ流れ出ている様はストレスを溜めていきますし、続くと水道代の心配も出てきます。

 
【原因】
 
トイレの水が止まらない原因のほとんどが、トイレタンクにあります。
レバーを押すと水が流れ出てくるトイレタンクの構造は、実はいたってシンプルなもの。
水を止まらなくしているのは、その中に使われている部品が壊れていることが考えられます。
トイレタンクの中を意図的にさわるというのは滅多にないでしょうから、多くが経年劣化です。住宅設備に使われている部品は劣化していきますし、水回りですからなおさら傷みやすくなっています。

他の原因として、タンクの中に異物がつまってしまっている、というのがあります。
タンク内に入れる方式の洗浄、芳香剤がつまって水が止まらないという問題を引き起こしていた事例も見られます。
「部品の破損または劣化」「異物のつまり」このどちらかが、水が止まらないというトラブルを発生させる原因となっています。
 

 
【対処法】
 
水が止まらない時にまずやって欲しいのが、止水栓を閉めて水を止める作業です。
それからタンクのフタを開けて、中を確認します。

タンクの中で確認すべきは、水がどのぐらいたまっているか、つまり水位のチェックです。
オーバーフロー管と呼ばれる、上に向かって伸びる管の上部まで水がきているかどうかが、一つの目安になります。
上までない場合は、ゴムフロートの劣化、排水溝の間にゴミがつまってしまっているという原因が考えられます。
ですからゴムフロートの交換や、つまったゴミを除去するという作業が必要になります。

水がオーバーフロー管の上まできている場合は、浮き球、ボールタップのチェックをしてみます。
浮き球というのは名前の通り、タンク内に浮かんでいるボールの形をしたパーツです。
ボールタップとは水の位置を検知する部品で、タンクの横から出ています。

 
まずは分かりやすい浮き球の方を確認すると良いでしょう。
確認のポイントは、浮き球が外れてないかや、何かにひっかかってないかなどです。
浮き球が大丈夫そうだったら、ボールタップを確認してみます。
使われているゴムパッキンの劣化や、ボールタップ自体が破損したり、劣化でうまく機能していないことが考えられます。

何か異物がつまってそれを簡単に取り除けそうであれば、自分ですぐに対処できる可能性があります。しかし部品の劣化や破損の場合だと自分で対処するにしても、まずはパーツの取り寄せから必要になります。

2・水が止まらなくなり溢れてしまう

用を足したあと、背後で水が流れる音がする。
当たり前なんだけど、なんだかずっと流れているような、しかもかなり大きな音がずっと続いているみたい・・・見てみると、時間が経てば流れが減っていくのが普通なのに、いつまでも勢いよく水が流れ出てしまっている!
そんな状態が続けばもちろん水はあふれてきてしまいます。

そんな「水があふれる」というトラブルも、トイレではよく発生するものです。
きれいな水ならまだしも、場所が場所だけに汚物も一緒に出てきてしまうのではないか・・・そんな不安で頭の中もパニックになってしまいます。

 
【原因】
 
水があふれてしまう原因として考えられるのは、大きく二つです。
「トイレの奥のつまり」、または「配管に異常が起きている」というものです。

一つ目のトイレの奥のつまりは、汚物やトイレペーパー、または本来トイレで流さないようなものを流してしまった場合に起こります。それらが便器の外側へと汚水を流す路を塞いでしまい、水が流れずせり上がってきてしまうのです。

トイレで流してはいけないものの一つに、ティッシュがあります。
トイレペーパーと似ているので子どもが流してしまい、それがつまりの原因になったというのは良く聞きます。
トイレペーパーとテッシュは似て非なるものです。ですからトイレでティッシュを流すのはご法度です。

二つ目の配管の異常は、トイレそのものにはトラブルが起こっていなくても、水をさらに外側へと運んでいく配管の中で何らかの不具合が起きているケースです。
前者が最近流してしまったモノによる原因だとすると、後者は長年たまったものがどこかのタイミングでトラブルを引き起こしてしまう、というケースになります。
時間が経っているだけに、なかなか原因に行きつけません。

 
【対処法】
 
トイレの奥がつまっていた場合は、何度か水を流し続けたり、時間を置いたり、あるいは針金などを使い中のつまりを取り除くようにすると、解消できたという話が多くあります。
ラバーカップ(スッポン)と呼ばれるつまりを取り除く道具を用意していると、より効果的です。
これを便器の中に突っ込んでズボズボやることで、つまりが取れていきます。

一方、配管の異常が原因の場合ですが、こちらはさらに奥の方で起こっているトラブルです。
ですから上に挙げた方法では、異常が起こっている場所に届きません。
専用の薬剤を用意して、奥の汚れを流す必要があります。

 

自分で行う対応としては、あふれ続ける水への緊急の措置として、止水栓を閉めて水の流れ自体を止めるというのが最も必要かもしれません。
原因はトイレの奥か配管なのか、いずれにしても目視できる場所ではありませんから、焦って解決しようとすると、さらに傷口を広げてしまいます。
大もとの水を止めれば、それ以上は水があふれるのは防げます。
止水栓はトイレタンクの横の壁から出ていてタンクとつながっている部分ですので、日ごろから場所の確認だけはしておき、いざという時に慌てずに済むようにしましょう。

3・タンクから水があふれ出してしまう

トイレのトラブルといえば便器内を想像するかもしれませんが、水を供給する大もとのトイレタンクから水があふれて困っている、というのも多発するケースです。
トイレタンクは中身の構造は単純とはいえ、水を供給する機能を担う箇所ですから、日常的に不具合が起こる可能性は大いにあるのです。

 
【原因】
 
トイレタンクの中には、次のようなパーツが使われています。

トイレタンク内のパーツ

  • ・浮き球
  • ・ゴムフロート
  • ・オーバーフロー管
  • ・排水弁
  • ・・・etc

全部挙げても大した数ではありませんから、精密機器とは呼べぬ極めて単純な構造です。

しかし使われているパーツは当然ながら劣化や故障、つまりなどによりトラブルの原因となる可能性を常に持っています。
パーツそのものの異常、あるいはそれを構成する部品単位に異常が見られるというケースもあるでしょう。
これがトイレタンクの水をあふれさせる原因になります。

 
【対処法】
 
まずはトイレタンクの横の壁から出て、タンクとつながっている止水栓を閉めます。
これにより水があふれるのを止めて、落ち着いてから原因を探っていきます。

簡単なトラブルだったら、自分で対処してすぐに解決できる場合があります。
例えば浮き球が外れたり、正常な位置に無かったりしたら、戻すことにより解決できます。ボールタップに異物がひっかかっていたのでそれを外すことですぐに解消できた、といった例もあります。

しかしトイレタンクの中を覗いたことがある、という人は決して多くはないでしょう。
ですから何が正常な姿であったかというのは、ほとんどの人が分からないはずです。
パーツのズレや異物がひっかかっているのを直せば済む場合でも自分では解決できない、かえってトラブルを広げてしまったというのも、よく聞く話です。

4・水がでなくなってしまう

便器に水は出て当たり前。
ところが今日は一向に水が流れてこない。
何回トイレタンクのレバーを動かしてみても、水が出てくる気配さえしない。
不安をさらに掻き立てるような、トイレ内の静寂・・・こんな「水がでない」というトラブルもよくあります。

 
【原因】
 
トラブルが起こっている場所として考えられるのが、「止水栓」「トイレタンク」の二つです。
止水栓が閉まっている、トイレタンクの場合は中の鎖が切れたり傷んだりしているなど、どれかのパーツでトラブルが発生している可能性が大です。

 
【対処法】
 
最初の対処法としては、バケツなどで水を汲んできて、それを流し込んでまずは水を流します。
初期対応が終わったら、原因を探っていきます。

最も見やすいところ、止水栓から確認してみるのが良いでしょう。
何らかの原因でここが閉まったままになっている可能性があります。この場合はマイナスドライバーなどを使い緩めれば、解決できます。

止水栓に問題がなければ、次はトイレタンクです。
水が流れない時にトイレタンク内でトラブルを起こしているパーツで多いのは、レバーとゴムフロートをつなぐ鎖、あるいは浮き球のひっかかりです。
これを優先的にチェックして自分で対処できそうかを確認してみます。

5・配管がつまってしまっている

水があふれる、逆に流れてこない。
大なり小なりこうしたトラブルは、トイレではよく見られます。
引き起こす原因は、トイレの配管のつまりにあります。

 
【原因】
 
トイレで使われる配管は二つです。
「給水管」は、トイレタンクに水を供給するためのものです。
「汚水管」は、便器から汚水を外側に流すものです。排水管とも呼ばれます。

このどちらかの異常でトラブルが起こります。

 
【対処法】
 
給水管のトラブルでは、便器に水を送れない状態になります。
多くが配管内のサビが原因なので、配管を交換する必要があります。

便器から水があふれてしまうトラブルを引き起こす汚水管の場合は、つまりが原因になっているケースがほとんどです。
そこで細い棒のようなものでつまりを突いて、路を開けます。
水の通り道ができるので、汚水が流れていき問題が解決できます。
これで無理な場合は他の原因の可能性が大きいので、自分での対応は難しくなります。

第二章:その他のトラブル

第二章:その他のトラブル

1・トイレ内から嫌な臭いが出続けてしまう

トイレが臭いのは当たり前。
でもちょっと異常かも・・・そんなトラブルを引き起こす原因は、つまりにあります。

水栓トイレの場合は、毎回水が流れていくのでつまっているはずがないと考えるかもしれません。
しかし配管など見えない奥の部分につまりがある可能性は、大いにあります。
この場合は元から臭っているので、芳香剤などでは対処できません。
ラバーカップ(スッポン)を使ってつまりを取り除いたり、専用の洗剤を流し込んで溶かすといった対応が必要になります。

またトイレタンク内のカビなどが、臭いの原因になっていたというケースもあります。
この場合はこまめな掃除やタンク上部の穴に設置するタイプの洗浄剤を置くことで、解決する場合があります。

2・異物を落としてしまったり、つまらせてしまった

便器内にモノを落としてしまって大トラブル! といった話もよく聞きます。
本来は便器内に入るべきものではありませんから、トイレ自体が処理する力はなく、つまってしまうのは当然です。
もし小さいものであっても、異物ですからすぐにトラブルとはならなくても、後々にトラブルを引き起こしてしてしまう可能性は大です。
知らないうちに何かを落としてしまっていた、というケースも考えられます。

いずれにしてもまずは止水栓を閉めて、水が流れるのを止めます。
次いで落としたものを確認です。目視して取れそうなものであれば、ゴム手袋などを準備して手を突っ込んで取ると良いでしょう。
奥の方で手が入らない、見えない場合はラバーカップ(スッポン)で吸い上げる対応をしてみます。

3・ウォシュレットのトラブル

ウォシュレット(温水洗浄便座)の普及率は、一般家庭では既に80%を超えているというデータがあります。
それだけ広く使われていると、これに関するトラブルも多く起こります。
実際にウォシュレットによる水漏れが多数報告されてきています。

もちろん機器自体に問題があるのではなく、劣化や普段のお掃除をきちんとしていなかったというのがほとんどです。
日常的なメンテナンスが必要なのですが、トラブルが起こってしまったらまずは止水栓を閉めます。
次いで電気機器なので感電のリスクを防ぐため、プラグを抜いてから処理にあたります。
これがトイレ一般の水回りの対処と少し違う点です。

ウォシュレットの水漏れを引き起こす原因で多いのが、接続部分です。
ゆがみやパッキンの劣化などがないかをチェックします。
パッキンの交換を自分でして解決できた、というケースも多くあります。

第三章:自分での解決が不可能な場合

これまで紹介してきたように、トイレのトラブルは自分で対処、解決できるケースも多くあります。
しかし「解決できなかった」「変なところを触ってしまわないか心配」という声も多くあります。
この場合は専門の業者へ依頼しましょう。

1・業者に依頼する場合

依頼先には、次のようなところがあります。


・水道業者
・トイレ専門業者
・設備業者
・メーカー
・(賃貸マンションやアパートの場合)管理会社、または大家さん

複数あげてみましたが、ほとんどの場合は1になります。
2のトイレ専門業者はトイレに特化した水道業者なので、1と同じと考えて良いでしょう。
メーカーは部品の供給はしますが、自らがトラブル対応に出動するというケースはまずありません。
賃貸マンションやアパートといった集合住宅の場合で、ここでのトラブルは管理会社か大家さんを経由して、水道業者などに依頼を出すのが一般的です。

2・修理とかかる費用

修理の難易度はこれまで紹介してきたように、原因によりさまざまです。
また不具合を起こしているパーツによっても変わります。
比較的に難易度が高いトラブルとして挙げられるのが、水が止まらず床まで水浸しになるというものです。
水漏れを起こしている箇所の特定が難しく、既に多くの水があふれ出てしまっているため、早期の対応が必要になります。

「給水管」または「汚水管」のトラブルも難易度が高いとされます。
中の状態がまったく見えませんので、原因を突き止めて対処というのが一般家庭ではかなり難しいかもしれません。

さて水道業者へ依頼をした場合の気になる料金ですが、相場として4,000~8,000円くらいです。
特殊な部品や準備が必要な場合は、当然これに上乗せになります。
また高圧洗浄などになると、30,000円前後かかります。

いずれにしても料金は一定ではないので、まずは問合せをしてみましょう。

第四章:自分での対処が難しいトイレのトラブルは専門業者へご連絡ください

水回りで最もトラブルが多いトイレ。
中でも「水が止まらない」「あふれる」といったトラブルは多く出ています。

もし起こってしまったら、まずは落ち着いて初期対応をするのが肝心です。
止水栓を閉めて被害をそれ以上広げずに、冷静に対処できる状態をつくりましょう。

また自分で対処できるケースもありますが、「どう対応すれば良いのかよくわからない」「自分でやるのは不安」ということであれば、水道業者にすぐに問い合わせをする方が良いでしょう。
無理をして自分で何とかしようとすると、トラブルをさらに広げてしまったり、直さなくていい所まで手を入れないといけない状態にしてしまいます。